BYDの次世代動力電池:体積エネルギー密度が50%向上、寿命が120万㎞、コストが30%減少

長期的にリン酸鉄リチウムを好んで使用しているBYDは、また驚きの製品を生み出しているようだ。BYDが来年5-6月期に発表する次世代動力電池は、体積比エネルギー密度が50%向上し、寿命が8年間120万㎞に達し、コストをさらに30%削減できるという。

8月21日夜、BYDは中間報告を発表した。8月22日午前、BYDの取締役会長である王伝福氏は、上級管理職を連れて業績交流会に出席し、前記情報を明らかにした。

王伝福氏は、リン酸鉄リチウム電池を「鉄電池」と呼んでいる。

BYDはリン酸鉄リチウム技術を支持してきた。業績交流会では、BYDの役員らが「体積比エネルギー」という概念を示した。

「もともと多くの車種は鉄電池(リン酸鉄リチウム電池)を入れられなかったが、主に昔は鉄電池が大きすぎたためだ」。BYDは来年5-6月期に新世代リン酸鉄リチウム電池を発売し、体積比エネルギー密度を50%引き上げる。次世代リン酸鉄リチウム電池の主な特徴は高い安全性、長寿命(8年120万キロ)と低コスト(コスト30%削減)だ。

体積比エネルギーは確かに多くの業界関係者に認められている概念だ。中国科学院院士の欧陽明高氏は7月2日の世界新エネルギー自動車大会で、乗用車の観点から見ると、体積エネルギーの高密度がより重要になると述べた。

リン酸鉄リチウム電池は、理論的にはエネルギー密度の上限にほぼ達していると多くの人が考えている。18年、BYDはリン酸鉄リチウム単体ではエネルギー密度が165wh/kg、パッケージでは140wh/kgという数値を紹介し、今後2年間で、単体でエネルギー密度を180wh/kg以上、パッケージで160wh/kg以上に引き上げる計画を発表した。スケジュールを見ると、概ね来年に前記製品を発売するタイミングになる。

8年120万㎞の寿命とは信じられない話に聞こえる。現在、業界は一般的に補助金付与の条件として、バッテリーは8年12万㎞の品質保証、運営車両には30万~60万㎞の品質保証を約束する必要がある。寿命が120万㎞というのは本当であれば、電気自動車のライフサイクルが大きく伸び、トータル保有コストが大幅に低下し、電気自動車運営の黒字化につながる。

三元電池と比べ、リン酸鉄リチウム電池の方は安全性が高いとBYDが考えている。三元811電池は、BYDもロードテストしているが、「ペースを落とす必要がある」。 一方、リン酸鉄リチウム電池なら体積比エネルギー密度を引き上げることができれば、主なボトルネックは解消される。

BYDは、主要自動車メーカーもBYDの技術路線を認めて、BYDのリン酸鉄リチウム陣営に加わると期待している。

また噂されているBYDのバッテリー事業の分社化については、BYDは正式な分割にはあと数年かかるとの見方を示している。


参考記事:https://www.d1ev.com/kol/97623

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