自動運転スタートアップ企業AutoX、FCAと共同でRoboTaxiを発表

1月7日、米国ラスベガスで開催しているCESで、中国の自動運転スタートアップ企業AutoXが欧州自動車大手FCAと共同で開発した自動運転タクシー(RoboTaxi)を発表した。ベースとなる車種はFCAのPacificaだ。

FCAのPacificaといえば、その前にWaymoがRoboTaxi にFCAとコラボしたPacificaを採用したことを想起される。AutoXは、この分野の技術が最も成熟しているFCAと提携し、この車種を中国に導入し、独自に開発したVCU技術と結びつけ、中国市場向けのRoboTaxiを作り上げることを表明している。

FCAは、Waymoと同様の車種でAutoXのRoboTaxiの商業化運営をサポートしつつ、AutoXの自動運転システムと連携すると同時に、自動運転に必要なコア技術をすべてそろえたAutoXのフルスタックソリューションを利用して中国以外の国でも展開することを狙う。

AutoXの関係者によると、FCAとAutoXが提携する無人RoboTaxiは今年、深セン市、上海市などで正式に投入する計画で、AutoXのテスト運営車両チームの一部となる。

AutoXはすでに深セン市中心部で1年以上にわたって自動運転のテスト走行とテスト運営を続けている。 2019年9月、AutoXは上海市政府と正式な提携協定を締結し、上海市で第1回となる100台のRoboTaxiのテスト運営を開始している。AutoXは、上海市の自動運転関連の新しい管理規定「新規2.0」の発表以降、唯一のナンバープレートを取得している自動運転企業だという。

今回発表されたこのRoboTaxiの名はPacificaXで、初めてL4クラスのHardware Ready(ハードウエア・レディ)を実現し、FCAと同じ深センにある中国企業AutoX、RoboSense、DJIの3社のコア技術が凝縮されている。

中でもAutoXはPacificaXに「頭脳」を提供している。AutoXは中国初のL4クラス自動運転車載ドメインコントローラXCUを独自に開発し、今回のCESではセンサーハードウェアの同期、水冷クーラー、車載機能の安全をサポートする製品を正式に発表した。AutoXの今回の製品は、米Nvidia社傘下の主力製品であるPegasusの第2世代車載コンピューターをターゲットにしたもので、複数の技術指標でPegasus2を上回り、中国で初めて超高性能車載演算力を実現しているという。

さらに無人車を動かすにはクリアで信頼性の高い「目」が必要だ。レーザーレーダースタートアップ企業のRobosense(速騰聚創)はCES期間中、AutoXと共同で世界初の量産車基準級のソリッドステート式レーザーレーダーM1を発表した。

民生用ドローン(マルチコプター)およびその関連機器の製造メーカーとして知られているDJIは、CES期間中にAutoXと連携してHorizonとTeleの2シリーズのソリッドステート式レーザーレーダーを同時に発売した。このうちTeleシリーズの実効可視距離は300メートルに達し、世界初の大規模量産が可能な長距離レーザーレーダーとなる。

PacificaXには、AutoXが独自に開発した、世界初のフラットなパネル式ルーフボックスが搭載されており、自動運転キットと車体がドッキングされている。センサー、セルフクリーニングシステム、水冷クーラー、ユーザー操作インターフェース、雨水対策、ドメインコントローラなど複数のデバイスと複数の機能を一体化した、世界初のフラットデザインで、厚さはわずか15センチと、現在の業界でよく見られるとんがりコーンのような設計を大幅に下回っている(従来案はいずれも高さ30センチを超える必要があった)。フラットなパネル式ルーフボックスは見栄えが良いだけでなく、空気抵抗、エネルギー消費量、橋を渡ったりガレージに入るなどの低いエリアでも実際のメリットがあり、量産にも適している。


参考記事:https://www.tmtpost.com/4225837.html

2357