国内最大規模の自動運転融資、DiDiはソフトバンク等から5億米ドル以上の投資を獲得

DiDiは5月29日、傘下の自動運転会社が5億ドル以上の資金調達を1回目で完了し、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)がリードインベスターとして出資したと発表した。これはDiDiの自動運転会社の設立後、初めての融資であり、中国の自動運転会社の中では最大の融資規模となる。

資金支援を受けた後、DiDi自動運転会社は研究開発とテストへの投資を拡大し、自動運転、路車協調、関連AIなどの技術への投資を拡大し、産業提携を深め、国内外の特定地域での自動運転の有人実用化を推進し、交通の安全性と効率をさらに高める。

DiDiはすでに2016年に自動運転の研究を開始している。昨年8月、DiDiは傘下の自動運転部門を独立会社に格上げした。独立会社の自動運転チームはすでに200人以上おり、L4クラスの自動運転技術の研究開発に注力している。

ビジネスモデルにおいても、DiDiが狙っているのはRobotaxiで、DiDiのCTOの張博氏はこれまでのインタビューで、DiDiが自社で車を造ることはなく、自動車運転技術のソフトウェア部分を業務とすると語った。 将来的な可能性としては、自動車メーカーが自動車を製造した後、同社のプラットフォームにワンクリックでアクセスできるようになり、取引が発生すれば、自動車メーカーは1件ごとに利益の配分を受けることができるようになる。

DiDiはこれまでに、北京市、上海市、蘇州市、米カリフォルニア州で道路テストの資格を取得しており、上海市で初の「コネクテッドカーモデル応用」ライセンスを取得しており、(一般の人が試乗可能な)有人テストを実施できる。

DiDiは自動運転の道路テストが後発で、関連技術が他社に遅れている。カリフォルニア自動車管理局(DMV)が発表した2019年の自動運転車の「テイクオーバー」(手動運転に切り替える)データによると、DiDiは1000マイル当たりのテイクオーバーは0.682回で8位にランクインし、同じ中国勢の中でも百度はもとより、スタートアップ企業のPony.aiやAutoXにも大きく遅れている。

だが、他の自動運転会社と比べて、DiDiは自動運転の研究開発においてアドバンテージを持っている。自動運転技術の研究開発には大量の道路テストと交通データが必要で、DiDiのプラットフォーム上の数百万台のネット配車が毎日生成しているデータがそのデータ源となる。

現在、DiDiの自動運転車は40台で、うち10台がカリフォルニア州、30台が中国国内にあり、テスト総距離はすでに30万キロに達している。同社はまもなく上海市に30台を追加配備する予定。

DiDiは今後、自動運転業務の有人テストを上海市嘉定市で早期に開始し、一般ユーザーがDiDiのアプリでRobotaxiサービスを注文できるようにする計画だ。


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