DiDi CTO張博氏が自動運転競争を制する方法を初めて読み解く

8月30日は、 WAIC 2019の翌日、DiDi CTOの張博氏とDiDi自動運転の米国研究開発チーム責任者で自動運転チーフエンジニアの賈兆寅氏は、一部のメディアのインタビューに答えた。
今回、張氏が、独立した自動運転業務については、DiDiが狙っているのは、その巨大規模のモビリティネットワークがもたらす自動運転技術の商業化の将来性だと指摘した。

張氏は、自動運転業界は1.0の検証段階からすでに2.0に入り、これからは、自動運転技術の商業化として、「一人ひとりの暮らしにまで浸透し、一つの本当の商品に変わっていく」と述べた。

DiDiの「滴滴出行」では、自動運転を達成するには産業連合を形成する必要があり、その中には次の4つの重要なリソースが必要だ。

1.シェアリング・サービス・ネットワーク

2.自動運転技術

3.自動車メーカー

4.十分な資金

「この4つのリソースを同時に持ち合わせている会社はまだないと思う」。張氏は、「DiDiが独立した自動運転会社を設立したのも、他のリソースとより接続しやすいようにするためだ」と述べた。

融資面では、張博氏によると、自動運転技術の開発に莫大な投資資金が必要で、自動車メーカーやテクノロジー企業は単独で技術開発を進めても成果が期待できない。DiDiは、戦略投資、特に自動車メーカーやTier1からの投資を期待しており、現在、一部の戦略投資や自動車メーカーとコミュニケーションを順調にとっている。

さらに同氏は、「DiDiは車を造る計画がなく、自分で車を造る予定はないが、自動運転は最終的に1台の車という形でなければならない。開発の多くは、ハードウェアレベルで行われており、自動運転車が発売される前に大量の走行テストをしなければならない。伝統的な自動車メーカーは、100年以上の経験を積んできたので、トップレベルの自動車メーカーと協力していくことが賢明だ」と考えている」と話した。

今年7月、DiDiは日本の自動車大手トヨタからの投資を獲得した。 両社は合弁会社を設立し、トヨタはDiDiと合弁会社に計6億ドルを投資することになっている。

では問題は6億ドルの資金が調達された後、双方は主にどのような面で深い提携を展開していくだろうか?

張氏によると、両社は伝統業務と自動運転分野で提携し、トヨタの車両をDiDiのオンライン配車サービスに組み入れる予定だ。

また、「自動運転は非常に長期的なプロジェクトであり、非常にお金がかかり、現在のアメリカの大手企業では、年間8億ドルから10億ドル程度のお金が使われている」と張氏が紹介した。

張氏は、現在、自動運転は産業の転調期にあると指摘したうえ、「2、3年前は楽観的すぎて、2019年、もしくは2022年に量産すると言っている会社が多かったが、私の中ではこれは基本的に不可能だと思う」と強調し、自動運転は過熱なブームが去った後、健全な発展軌道に戻る。技術が本格的に成熟するまでには依然として4-5年かかるとの見方を示した。

新しいビジネスモデル

DiDiの自動運転は、まったく新しいビジネスモデルを目指している。すなわち、自動車メーカーが車を製造して、ワンプッシュでDiDiのプラットフォームに車を投入することができる。DiDiは、モビリティサービスで注文ごとに自動車メーカーに対して利用料を支払う。

DiDiの自動運転子会社は、将来において上記のようなビジネスモデルを展開する可能性が高い。

張氏によれば、自動運転子会社は自動車メーカー、および産業パートナーとの戦略的提携関係を深め、無人運転技術の商業化を共同で進めていく。

張氏は、今後10年でL4とL5の自動運転技術が最も優れた商業化されたシーンは、2C(個人ユーザー向け)に、ハンドルやブレーキのないクルマを買ってもらうのではなく、DiDiのようなライドシェアネットワークに入って、人間とロボットのハイブリッドなディスパッチを提供するモデルだと考えている。

つまり、DiDiはネット配車分野の運営経験を自動運転運営にも生かし、Robotaxiは長い間ネット配車補充輸送力の役割を果たすことになるだろう。

張氏によると、現在、「滴滴出行」プラットフォームでは1日当たり25%の乗客の移動ニーズが満たされておらず、輸送能力の不足で数百万件の注文が実現されないことに相当している。今後予測可能な期間内において、輸送能力の不足が拡大するだけで、Robotaxiがオンライン配車プラットフォームにリリースされたとしても、依然として大量の運転手が必要となる。


参考記事:https://www.leiphone.com/news/201909/0e8h2yZTTDacpZJY.html

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