DiDiの自動運転、北京にも進出

DiDiはこのほど、北京市で自動運転の新会社「北京沃芽科技有限公司」を登録した。同社の法定代表は同社の韋峻青CTOで、経営範囲は技術開発、レンタカー、日用品販売などだ。新会社はDiDiの「上海沃芽科技有限公司」が全額出資しており、最大株主はDiDiのCEOの程維氏で、90%の株式を保有し、第2位株主はDiDi自動運転会社のCEOに就任した張博氏で、10%の株主を保有する。

「DiDiビジョン」には4つの目標があり、そのうちの1つが「グローバルスマート交通技術のパイオニア」になることだ。同社は2019年8月に自動運転部門を正式に独立会社に格上げしたが、自動運転の研究開発は2016年から開始している。2018年2月、DiDiはQOROS-5から改造した自動運転車が正式に公開された。この時から、DiDiは自分を単なるモビリティサービス業者ではなく、業務範囲をネット配車から自動運転へと拡大している。

その後、DiDiの自動運転研究開発が全面的に発展し始めた。2018年9月、DiDiは北京自動運転T3級(注)テストライセンスを取得した。DiDiは昨年3月、上海で「上海沃芽科技有限公司」を登録した。同年9月、DiDiは上海市初のコネクテッドカーモデル応用ライセンスを取得し、自動運転有人テストを実施できるようになった。

同社はこれまでに中国、米国、カナダに研究院と実験室を設立し、中国と米国に研究開発テストチームを設置し、上海、北京、蘇州、米国カリフォルニアなどで自動運転道路テストライセンスを取得している。DiDiはこれらの地域で計40台の試験車を運営している。前出の張博CEOによると、同社は試験車の規模をさらに拡大し、2020年に上海市嘉定区に30台の試験車を投入する予定だ。

今回の新会社設立は、DiDiが北京で展開している自動運転テストがさらに一歩進んだことを意味するだけでなく、DiDiが今後のモビリティ分野でトップ争いを続けることを象徴するものでもある。

注:北京市は自動運転のテストライセンスを、テストの技術レベルによりT1~T5の5つのクラスに分けている。


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