百度の自動運転初体験、これだけ?

 10月12日、百度の自動運転タクシーサービス「Apollo GO」(以下、「Apollo」)が北京でオープンした。体験しようとした乗客は亦荘のある指定駅で1時間近く待ったが、何度もキャンセルされて、注文に失敗した。彼は記者に対して、「(百度の自動運転は)ドライバーがいないものか思っていたが、安全要員が座っていた」と少し残念そうな顔だった。

 百度の公式ポスターによると、「百度Apollo」は10日に北京でオープンした。最初の二日は控え目だったが、10月11日夜、百度は、「同日から、百度の自動運転タクシーサービスが北京で全面的に開放。あなたは海淀や亦荘の自動運転タクシーサイトで予約なしで、百度地図アプリや独自アプリ「Apollo Go」をダウンロードして無料試乗を注文できる」と高らかに宣伝した。

 百度はポスターの中で「北京全面開放」と表現しているが、現在の開放時間、運営時間、サービス利用者には制限がある。

 開放場所は亦荘と海淀で、両エリアの計15の停留所に限定され、一度に乗車できる人数は2名で、18-60歳の年齢制限もある。運行時間帯も月曜から日曜の10:00~16:00で、これは百度が意図的にピーク時間帯を避け、Apolloの難易度を下げるためだという声もある。これに対して安全要員は、時間帯は規制当局によって定められていると述べた。この言い方は百度側からはまだ確認されていない。

 当日の午前の時間帯と昼の時間帯は、記者は亦荘と海淀で百度のApolloにそれぞれ3回試乗した。

 最初のコースは約4キロで、地図を見ると直進区間が中心で、右折区間と左折区間が含まれている。試乗中、最初のコースでの右折とゴール前での寄せ駐車は、安全要員がApolloにほとんどチャンスを与えず、熟練した手動操作に切り替えた。

 2回目のコースで、安全要員はベテランドライバーのように見えるが、歩行者を避ける際には手を出してハンドルを引き継ぎ、終点に到着すると、車両が路肩に停車する間隔が近すぎて乗客が降りるのに不便だったため、再び手動で駐車した。

 複雑な道路状況で走行中に、大型トラックが突然車線変更して、Apolloは緊急ブレーキをかけた。その後は安全要員が運転を引き継ぐしかなかった。乗客の一人は、「百度Apolloのブレーキは普通のタクシーの乗り心地に比べて硬い」と話した。

 3回目のコースは、海淀区間は全行程9キロで、多くは直線だった。

 車両が発進すると、車内モニターには現在の車速、区間制限速度、周辺車両、横断歩道の状況など、リアルタイムの道路状況が表示される。安全要員は「試験運転の上限速度は59km/hだ」と話した。しかし記者の体感では、亦荘でも海淀でも、3回体験した車速区間は30~45km/hが多く、このような走行速度は周囲の他の車両に比べてかなり遅かった。

 試乗結果を総合すると、左折、右折、車線変更,Uターンが何度も発生したが、多くの場合,安全要員が手動で操作する必要がなく、Apolloはスムーズに完了し、前方に車速が遅すぎる車両があってもApolloは検出後に追い越し、道路の途中に突然歩行者が現れた場合には、Apolloはスムーズに減速して歩行者が通過するのを待って走行することができた。

 しかし、比較的低速の場合でも、安全要員は車外の道路状況を注視し、必要に応じてかなりの頻度でハンドルに接触したりしていた。動きは一般のドライバーとほとんど変わらず、道路状況が複雑な場合にはテイクオーバー(手動モードへの切り替え)することもあった。

 百度のApolloの走行効率は、人々が慣れ親しんでいるネット配車とはまだ一定の差がある。簡単に言えば、待ち時間が長く、移動効率が低く、急いでいるユーザーには向いていない。

 最初のコースを例にとると、この2.2キロのコースはネット配車プラットフォームでの注文では約12分、百度のApolloシステムでの実際の時間は28分だった。あるスタッフは「今は4台しかないので、注文量が多すぎて、待っていただくしかない」と申し訳ない様子だった。

 興味深いのは、試乗者はメディア関係者やIT系男性が多く、海淀エリアでこの傾向がより顕著だった。

 あるアナリストは、百度の現在の自動運転レベルはいわゆるL3が最も多く、特定のシーン、限られた条件でのL3自動運転とも呼ばれている。現段階の固定路線の有人自動運転タクシーサービスはあまり意味がなく、今回は百度がこれまで長沙で開始した固定区間の自動運転サービスとほぼ同じで、本格的な商業化にはまだ遠いと述べた。


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