百度の自動運転の中心メンバーはスタートアップ企業のWhite Ninoに加入し、無人即配車を開発

新型コロナウイルス感染対策として、最近中国では自動運転技術に基づく無人即配車の応用が目立っており、無人即配車の開発は脚光を浴びている。

以下は、ベンチャーITメディアの36krの記事に基づいて、新しい無人即配車スタートアップ企業を紹介する。

中国国内の自動運転のパイオニアとして、百度ディープラーニング研究院(IDL)と自動運転部門の複数のメンバーが離職した後、Pony.aiWeRiede(文遠知行)、HOLOMATIC(禾多科技)、Horizon Robotics(地平線)、DeepMap及びInnovusionなど、自動運転産業チェーンの川上や川下でベンチャー企業を数多く設立している。

無人即配車スタートアップ企業のWhite Ninoも、百度の自動運転車チームの元メンバーが設立した会社だ。今年初め、前百度自動運転事業部主任アーキテクトで、視覚感知方向技術責任者の夏添氏がWhite Ninoに加わり、CTOを務めている。夏添氏は、中国科学技術大学を卒業し、中国科学院計算技術研究所の博士学位を取得した。2012年4月、同社は百度に加盟し、百度のディープラーニング研究院で、百度の無人車ふ化事業と自動運転事業部がL3、L4クラスの自動運転と路車協調事業の研究開発に参加し、百度の2014年度百万米ドル最高賞を受賞した。同賞は百度技術者の最高の栄誉だ。

IDLの創設メンバーである夏添氏は、百度の自動運転の0から1への発展過程を経て、チームを率いて自動運転車向けディープラーニングシステムを構築した。百度を離れて、White Ninoを加えた理由について、夏氏は、Robotaxiの利用シーンが復雑で、絶えずにcorner case (めったに発生しない厄介なケース)が現れ、その研究開発の周期は長すぎると説明した。現在のディープラーニングに代表されるAI技術では、「運転」というタスクにおいて人間を完全に代替するには不十分だ。一方、既存の自動運転技術では、White Ninoが作った無人即配車などのように、市場のニーズを満たすビジネス応用シーンを見つけることができる。夏氏は、自動運転即時配達は1年以内に複数のテストエリアで実装し、3年以内に全国で大規模に普及する見通しだとした。

夏氏は、White Ninoは単に技術的な「ハイレベル」を追求するのではなく、「技術」の不足を「運営」で補い、技術指標と製品需要の2つの次元で技術開発を共同で牽引し、自動運転のビジネス応用をより早くこじ開けたい考えを示した。White Ninoは普通の宅配よりも即時配達(野菜や果物などの生鮮品の配達)の方が「時効性」が求められており、起業チームがRobotaxi(時速平均40km/h)をしていた経験を生かしている。

現在、White Ninoは幅1メートル、長さ2-3メートルの無人即配車が数台、北京環境保護産業モデルパークでテストや試験運営を行っている。夏氏によると、モデルパークは4平方キロメートルの正方形のエリアで、中関村自動運転イノベーションモデルパークのスタート地点であり、一般公道に類似した開放道路、幹線道路、交差点、信号機、内部閉鎖道路、企業のオフィスエリアや住民コミュニティなど多様な道路状況やシーンがある。

夏氏によると、自動運転車の最高時速は25km/hで、1回の配送距離は約1-3キロ、所要時間は15-30分。今年の旧正月連休から現在に至るまで、彼らは300件以上の無人配送を完了し、多くの注文は100元以上の生鮮食品だ。ユーザーがオンラインで注文すると、プラットフォームはモデルパーク付近の注文をWhite Hinoに振り分け、ユーザーにSMSで通知を送る。無人即配車が到着すると、ユーザーは車体にあるSMSコードを入力するかQRコードをスキャンしてハッチを開け、商品を取り出すことができる。

今回の新型コロナウイルスによる感染拡大による自動運転業界への影響について、夏添氏は、災害対策自体は自動運転技術を大幅に向上させることはできず、技術には客観的な発展法則があるが、災害の発生により無人配送の需要が増え、既存技術と需要のマッチングを加速させているとの見方を示した。

夏氏によると、現在、White Ninoの無人即配車向けのマルチセンサー融合ソリューションには、高解像度レーザーレーダー、近距離レーザーレーダー、カメラ、超音波レーダーなどが含まれる。2021年までに配送車のコストを8万元以下に抑える計画だ。

White Ninoは今年、北京環境保護産業モデルパークの近くで常態化した運営を計画しており、2021年には大規模な展開を始めるという。


参考記事:https://36kr.com/p/5291758

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