北京市、タクシーの電動化に高額インセンティブ

7月16日、北京市財政局と北京市交通委員会は共同で「タクシーから電気自動車への更新資金奨励政策に関する通知」を発表した。補助金は一回限りで、北京市の電気タクシー更新基準に適合するタクシー事業者が対象となる。また電気タクシー生産段階のバッテリー調達価格を参考にして、1台当たりの補助金上限は7万3800元とし、2019-2020年の2年間で計約2万台を更新すると報じられている。

実際、「タクシーの電動化」を模索、実践している都市は北京市だけではなく、山西省太原市は2016年に早くも全市の巡回タクシーを電気自動車にすべて買い替えている。近年、広東省広州市、深セン市、および河南省鄭州市などの都市でもタクシーの全面的な電気化を実現するとの方針が相次いで打ち出されている。

すでに大都市ごとに公表されているタクシーの電動化スケジュールによると、今年は全国のタクシーの電動化の浸透率が13%、2020年には23.6%に達すると見込まれている。

国家電動車技術革新連盟専門家委員会の王秉剛主任は、現在の発展速度では2030年までに全国の公共分野の車両がほぼ全面的に電動化されるものと予想しているが、推進過程には3つの面で注目すべき問題があると述べた。

まず、セキュリティの問題だ。実は2011年の電気タクシー普及の最も早い時期に、杭州の電気タクシー1台が発火したことがあり、当時はメディアや業界内で大きな注目を集め、近年、電気自動車に発火事故が度々起きている。王秉剛主任は、「安全第一主義を堅持し、特に公共分野の電気化の過程で、重大事故を防ぐべきだ」と話した。

2つ目の問題は効率だ。この問題は、電気タクシーを全面的に普及させた山西省太原市で非難を浴びている。主な原因は電気自動車の航続距離が短いことと充電時間が長すぎることで、充電がタクシーの運営に支障をきたさないように、多くの太原のタクシー運転手は2台の車を用意せざるを得ない。

電気タクシーの大規模普及で克服すべき3つ目の問題はコストだ。ランニングコストの面では、電気タクシーは従来のガソリン車を大きく下回っているが、購入やメンテナンスコストがかかるため、電気タクシーのトータルコストはガソリン車を下回るとは限らない。「コストを下げなければならず、常に高コストで運行していては、公共分野の電気自動車の持続可能性は難しい」 と王秉剛主任は指摘した。

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