リン酸鉄リチウム、リン酸鉄の需要が急増、多くの企業生産拡大へ

新エネルギー車の生産と販売の持続的な増加は、動力電池の材料であるリン酸鉄リチウム及びリン酸鉄の需要の大幅な増加を招いた。中国自動車工業協会(CAAM)のデータによると、今年4月、中国の動力電池搭載量は前年同期比58.1%増の13.3GWh、うちリン酸鉄リチウム電池搭載量は同比177.2%増の8.9GWhで、総搭載量の67.0%を占めた。

バッテリー業界サイトの「電池連盟」は、原材料へ需要が増えたため、最近、多くの企業がリン酸鉄リチウムまたはリン酸鉄の生産を拡大していると指摘している。

一部のメディアのまとめによると、少なくとも4社が投資を拡大している。

地場完成車メーカー吉利の部品事業センターから分社化した耀寧科技は2021年8月に、12GWhリン酸鉄リチウム電池及びシステム組立プロジェクトを江蘇省塩城建湖県に設立する契約を締結した。投資総額は103.7億元で、2期に分けて年産12GWhのリン酸鉄リチウム電池とシステム組立プロジェクトを建設し、2023年に稼働する予定である。

深セン市にあるベンチャー系環境エネルギー企業の芭田股分は5月24日、株式非公開で資金を調達して、年間5万トンのリン酸鉄事業への投資などに充てることを明らかにした。このうち、年間5万トンのリン酸鉄プロジェクトの投資総額は約4.97億元と見込まれ、年間5万トンのリン酸鉄生産ラインを新設し、主要製品は主に電池級リン酸鉄年間5万トンと副産物を生産する。

5月28日、リン化学産業大手の「川発竜蠎」は一気に3件の投資公告を発表した。

まず、同社の100%出資子会社は、年産20万トンの新材料プロジェクト(リン酸鉄リチウム20万トン、リン酸鉄20万トン、硫酸30万トンの生産ラインと工場建屋、倉庫、研究開発センターなどの付帯施設を含む)の建設に投資する予定で、投資総額は72.5億元と予想されている、

また、同社の100%出資孫会社は、年産5万トンの新エネルギー材料であるリン酸鉄プロジェクトを建設すると同時に、年産40万トンの硫黄から酸を製造する。プロジェクトの総投資額は4.9億元である、

さらに、同社は完全出資子会社を新規に設立し、リン酸鉄新エネルギー材料の投資建設と関連プロジェクトの実施を積極的に推進する。

5月29日、国内酸化チタン産業大手の金浦チタン業は、12.8億元を投資して、新エネルギー電池材料一体化プロジェクトを建設すると発表した。

発表によると、金浦チタン業は、新エネルギー電池材料一体化プロジェクト(1期)として、リン酸鉄装置と新エネルギー車動力電池正極材料のリン酸鉄リチウム装置を建設する計画を発表した。計画によると、同社は年間10万トンのリン酸鉄装置および、年間30万トンの硫黄精砂から硫酸を製造する装置を建設する計画で、建設期間は15ヵ月で、2022年9月に着工する予定である。

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