BYDの市場価値を300億元にも跳ね上がらせた「ブレードバッテリー」は、本当に革命的な技術なのか?

1月中旬に開催された中国電気自動車百人会で、BYD董事長の王伝福氏は、BYDが開発した「ブレードバッテリー」が2020年3月にはじめて量産され、BYDの新モデル「漢」に搭載され、航続距離が600キロに達すると紹介したことにより大きな波紋が広がっている。

BYD国際協力事業部の総経理の舒酉星氏によると、「ブレードバッテリー」は300件以上のコア技術を持ち、体積エネルギー密度(1リットルあたりに蓄電可能な電力量)と重量エネルギー密度(1kgあたりに蓄電可能な電力量)が大幅に向上し、設計強度、安全性、コスト面で非常に競争力があると付け加えた。

BYDの発表を受けて、株式市場ではBYDの株は今週、連続して急騰し、金曜日(1月17日)には一時59.5元と昨年4月以来の高値を付けて、王伝福氏が「ブレードバッテリー」を発表してから、BYDのA株の時価総額は300億元にも跳ね上がった。

BYDが発表した「ブレードバッテリー」とはいったいなにものなのか。

実は、いわゆる「ブレードバッテリー」はBYDが最近宣伝している新世代のりん酸鉄リチウム電池の一つの名称で、BYDが長年研究開発してきた「スーパーりん酸鉄リチウム電池」にほかならない。BYDは鋭利で相対的に具象化した名称を通じて、人々にインパクトを与えようとするかもしれない。

これに関しては過去の記事「BYDの次世代動力電池:体積エネルギー密度が50%向上、寿命が120万㎞、コストが30%減少」を参照してください。

またBYDの「ブレードバッテリー」は、国家特許局で以下のような特許出願を見つけることができる。


BYDのこの特許はバッテリー・パックの設計方法に対する特許だ。このバッテリー・パックには、長さ0.6mを超える大きな電芯がアレイ方式で並べられ、「ブレード」のように差し込まれている。バッテリー・パックの空間利用率を高め、エネルギー密度を高めることができるほか、内部の熱を外部に伝達することで、高いエネルギー密度に合わせて適切な熱放散面積を確保できる。

BYDの「ブレードバッテリー」については、 動力電池の専門家である呉輝氏は、メディアとのインタビューで、「これは、バッテリー・パックの体積エネルギー密集と重量エネルギー密度を高めることに意味のある技術だが、単体エネルギー密度の向上にはあまり役に立たない。…これまで把握してきた情報からすれば、BYDはこれまでのバッテリーをより長く、より薄く作り、バッテリーの構造設計に変更を加えたはずだが、それ自体は、素材からイノベーションではない」とコメントした。


参考記事:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1655850257110019134&wfr=spider&for=pc

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