四川の電力制限、新エネ車の「充電難民」に、「仮想発電所」が救世主になるか

最近の四川省での干ばつによる電力制限を背景に、一部の公共充電ステーションで充電サービスが一時停止されている。成都市では新エネ車ユーザーは充電困難になっている。特に新エネ車タクシーや、新エネ車を使っているオンライン配車ユーザーは、正常に営業できない状態に陥っている。

「高温により全市の送電網が過負荷運転となったため、一部の発電所が運転停止を行っている」という通知を多くの充電ステーションで目にすることができる。スマホで最寄り充電ステーションを検索すると、「営業停止」や「電力制限」と表示されることが多い。多くの充電ステーションが使えないため、「電探し(充電できるところを探す)」という言葉は、ここ数日、多くの新エネ車ユーザーが交わす挨拶用語となっている。

ネット配車ドライバーのA氏は、「今は充電を探すのが難しい。私は今日何か所を回って、ようやく1つ見つけたが、何時間も並んでいた」と愚痴をこぼした。

ただし、充電ステーションでの電力制限は主に昼間の時間帯で、夜になると電力供給が再開される。

電力供給がひっ迫になると、新エネ車の充電が困難になる問題は解決できるものなのか。いわゆる「仮想発電所」は1つの「解」を見せてくれるかもしれない。

仮想発電所は、戸建てなどに設置した太陽光パネルや蓄電池といった電力設備を制御し、1つの発電所のように運用する仕組み。出力が不安定な再生可能エネルギーが普及するなか、電力を安定供給する調整弁となる。新エネ車の分野では、各車両、各充電施設が仮想発電所となり、理論的に送電網のピークと谷のギャップを埋めることができる。

専門家によると、一部の地域では、試行的に仮想発電所の小規模な応用がすでに始まっている。例えば、夜後半の電気料金が安い時に充電し、昼間では電気を送電網に送り、電気料金の差額を稼ぐこともできる双方向充電スタンドを建設している。

バッテリー専門家の欧陽明高氏はこのほど仮想発電所の将来性について、「2040年に中国には3億台の電気自動車がある。1台当たり65度の電力があれば、搭載可能な電力は200億度になる。このようなエネルギー貯蔵規模は『仮想発電所』を可能にする。新エネ車は最も重要なエネルギー貯蔵段階で重要な役割を果たすだろう」と述べた。

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