大規模なプッシュ配信を控えたファーウェイ、「鴻蒙(Harmony)」OSの商標登録が暗礁に

 5月12日、北京知識産権法院(北京知的財産権裁判所)は、類似商標が既にあるため、商標「鴻蒙」に対するファーウェイの関連訴訟を棄却する判決を下した。10年以上構築されてきたファーウェイの「鴻蒙」ブランドが今後どうなるかかが注目されている。

 2020年8月に、ファーウェイは、世界開発者会議でマイクロカーネルをベースにし、スマホや車載OSを含む全シナリオ向けのオペレーティングシステム「Harmony OS」を発表した。「Harmony OS」の中国語名は「鴻蒙」である。

 もともと、ファーウェイが商標「鴻蒙」を出願する前に、既に2つの企業が商標「鴻蒙」を出願していた。うちの一社はコンピュータとソフトウェア、クラウドコンピューティング、ソフトウェア開発とメンテナンスなど業務とする企業である。

 ファーウェイが出願した商標「鴻蒙」の適用範囲もコンピュータ及びソフトウェア関連である。これに基づいて、国家知的財産権局はファーウェイの商標「鴻蒙」の出願を拒否した。

 これを受けて、ファーウェイは2020年8月に、国家知的財産権局を法廷に訴え、国家知的財産権局が下した「出願拒否決定書」を取り消し、ファーウェイの関連商標出願を許可するよう裁判所に求めた。

 5月12日、北京の裁判情報網は、ファーウェイと国家知識産権局との裁判の第一審行政判決書を発表し、原告であるファーウェイの訴訟請求を棄却した。

 グローバル競争に向けた重要な「武器」として、ファーウェイは「鴻蒙」OSをベースにエコロジーシステムの発展と実用化を推進しているが、現在ファーウェイが直面している問題は、商標「鴻蒙」が出願に成功しておらず、これは鴻蒙OSの大規模なプッシュ配信に影響を与えるということである。

 市場アナリストによると、次にファーウェイには3つの選択肢があり、第1に引き続き法廷で争うが、正当性主張の根拠が不足しているため、訴訟に勝つことが困難である。第二に、「鴻蒙」の名称変更であるが、「鴻蒙」はすでに国内で知名度と影響力があり、名称変更は今後の業務展開に悪影響をもたらす。第三に、商標「鴻蒙」を保有企業から購入することが最も現実的になり、今後双方の交渉を見守る必要がある。


参考記事:https://news.stcn.com/sd/202105/t20210513_3221739.html

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