ファーウェイのMDC車載用コンピューティングプラットフォーム、ISO 26262認証を取得

世界的に有名なドイツの技術検査協会のTÜV(Technischer Überwachungs-Verein)はこのほど、ファーウェイのMDC車載用コンピューティングプラットフォーム(注)にISO 26262機能安全管理認証を授与した。

この認証には、機能安全計画、設計、実装、統合、検証、確認、構成などの項目が含まれている。これはファーウェイのMDC車載用コンピューティングプラットフォームが安全性の面で自動車業界の認可を受けたことを意味し、同社の研究開発の新たな起爆剤となった。ファーウェイが今回合格した認証は、開発プロセス認証で、今後は各完成車メーカーとの間で、具体的なプロジェクト認証を行う必要はあるが、今回の認証取得でファーウェイのスマートカー事業の推進ペースが加速する見込みだ。

ファーウェイMDC車載用コンピューティングプラットフォーム

MDC車載用コンピューティングプラットフォームは、ファーウェイのKunpeng(鯤鵬)CPUとAscend(昇騰)Aiプロセッサをベースに開発され、自社開発のスマート運転OSを搭載し、オープンで標準化されたプラットフォームとなっている。このコンピューティングプラットフォームは、L2+クラスADASからL5クラスの自動運転へのスムーズな進化をサポートしている。現在、同社のMDC車載用コンピューティングプラットフォームは18社の主要自動車メーカーとTier 1と提携し、乗用車、商用車、特殊作業車などの応用シーンをカバーしている。

ファーウェイのMDC車載用コンピューティングプラットフォームは、ファーウェイのスマートカー戦略布石の一部に過ぎない。自動車業界に向けて、ファーウェイの取り組みは、「1つのインフラをベースに、3つのプラットフォームを重点とし、接続サービスとクラウドサービスを同時に展開する」ことに集約される。

一つのインフラはスマートカーの電子電気構造で、ファーウェイは「計算+通信」と称するCC構造だ。3つのプラットフォームは主にMDC車載用コンピューティングプラットフォーム、CDCスマートコックピットプラットフォーム、VDC完成車制御プラットフォームを含む。接続サービルとは、同社のコネクテッドソリューションのことで、車内と車外の高速相互接続を解決する。クラウドサービスはクラウドコンピューティング関連業務を代表する。これ以外にも、ファーウェイはIoT向けのHarmony OS(鴻蒙)を発表しており、さらにこのシステムを率先してクルマに搭載するなどして活用していくという。ファーウェイがこれまでに発表した情報によると、Harmony OSは2020年までに車載グレードの認証を取得する見通し。

注:MDC車載用コンピューティングプラットフォームについては過去記事「ファーウェイはHarmonyOSをスマートカーに搭載する日」をご参照ください。


参考記事:http://news.mobyinfo.com/intelligence/harmonyos_will_soon_be_used_in_smartcars/

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