Hereと手を繋いで、Autonaviが海外地図市場に進出

ベンチャーITメディアの36krの報道によると、Autonavi(高徳地図)とHereは東南アジアで提携し、HereはAutonaviに中国以外の地域の地図データと交通情報などを提供し、両社は、海外地図データとサービスをいかにうまく融合させるかについて研究とテストを進めている。Autonaviの海外サービスは2020年から正式にスタートし、最初は東南アジアの主要国をカバーする予定。

アリババの東南アジアでの決済、電子商取引の布石が進むことにつれて、Autonaviの海外進出計画も次第に明確になっている。ただ、Autonaviの海外サービスはすべて現地ユーザーのニーズに直結するのではなく、一部は、海外進出しようとする国内顧客やパートナーをサポートする形をとっている。

Autonaviによると、海外サービスの一部はAutonaviのスマホAPPサービスで、ユーザーにドライブ、歩行、公共交通などの交通手段の選択をサポートしたり、ユーザーの位置に基づいて周辺のPOI(Point of Interest)の検索サービスを提供したりするもので、もう一部は、提携パートナーに地図製品を提供するものだ。例えば中国地場自動車メーカーの吉利汽車は東南アジアでもAutonaviのナビ地図を標準装備として選択できるようになる。

地図サービスは、カーナビと自動運転の基本であるがゆえに、従来OEMはグーグルに飲み込まれるのを恐れているため、あえてグーグルと提携を避けて、Hereとの協力を選択している。2015年にはBMW、アウディとダイムラーが25億ユーロでノキアからHereを買収しており、その後、Navinfo(四維図新)、テンセント、ボッシュ、コンチネンタル、インテルキャピタルなどもHereへの投資を通じて株主となっている。

先日、三菱は日本の通信会社TNTと共同でHereの30%の株式を買い占めたというニュースもあった。これまでの統計によると、Hereの株式の約70%は自動車メーカーが保有している。

近年、好調だった中国の自動車市場も次第に鈍化しており、自動車メーカー各社の販売も頭打ちになりつつある。長城汽車、上汽集団、吉利汽車を含む地場自動車メーカーは海外市場に活路を見出さざるを得ず、東南アジアへの投資を拡大している。Autonaviが今回Hereとの提携に踏み切ったのも、海外進出している中国の地場自動車メーカーとの提携強化が目的の一つかもしれない。


参考記事:https://36kr.com/p/5283324

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