エネルギー危機がNIOの欧州での拡大ペースを影響

 一部のメディアによると、ベンチャー系自動車新勢力のNIO(蔚来汽車)の創業者で最高経営責任者(CEO)の李斌氏は、欧州のエネルギー危機が同社の欧州での拡大ペースを影響していると述べた。

 NIOは、新車販売の際、バッテリー交換プランを提供している。バッテリーが電気自動車コストの3分の1から半分強を占めていると言われている。バッテリー交換プランは、バッテリー抜きの低価格で新車を販売することができるメリットのみならず、長時間の充電が不要というメリットもある。一方、バッテリー交換サービスのネットワークを自ら築く必要があり、莫大な投資と運営コストがかかるというデメリットもある。

 NIOは2021年9月からノルウェーで新車販売を開始しており、現地の顧客の約95%はバッテリー交換ブランを選んでいる。しかし、困ったことに同社は現在、ノルウェーに2つのバッテリー交換所しかなく、今年初めに予定されていた5つの交換所の整備計画も未達である。

 NIOは現在中国国内に約800カ所の変電所を展開しており、2025年までに4,000カ所に拡大する計画である。海外においては、2025年までに海外で1,000カ所の変電所を構築することを目指しており、その大部分は欧州に位置する予定である。現在の進捗を見ると、その計画は達成することが不可能である。

 李斌氏は、電力コストの高騰、バッテリー交換所の稼働に不可欠な変圧器の製造進捗の遅れ、バッテリー交換所設置計画の許認可手続きの難航などが、業務推進の妨げとなっていると指摘した。

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