長安、国内発の水素燃料電池乗用車を発表

地場メーカー長安の新エネ車製品ライン「ディープブルー(長安深藍)」SL03がこのほど3種類の異なるパワトレの新車が発売された。今回発表されたのは、それぞれ、レンジエクステンダー付き電気自動車、純電気自動車、水素燃料電池車である。このうち、水素燃料電池車は初の国産水素燃料電池乗用車として、730キロの航続距離、3分の超高速エネルギー補給、給電状況下での100キロの水素消費量がわずか0.65キログラムなど多くの性能指標が公開されている点が注目される。公式販売価格は69.99万元で、BEVの3倍以上に設定されている。

中国国内市場では、純電気自動車が圧倒的なシェアを占めており、充電インフラも整備されているのに対して、水素関連のサプライチェーン、水素ステーションなどの燃料補給インフラもほとんどない。こうした状況のなかで長安は、なぜ水素燃料電池乗用車を開発しようとしているのか。その背景には、主に以下のようなものがあると一部のメディアが分析した。

第一に、水素燃料電池には独自の強みがある。エネルギー密度が高いなどの特徴を持ち、クリーンエネルギーの究極の形態と言われている。国際水素エネルギー委員会は、2050年までに、水素エネルギーは世界のエネルギー末端需要の18%を担い、2.5兆ドルを超える市場価値を創出し、水素燃料電池自動車は世界の自動車市場の20-25%を占めるとの見通しを出している。

第二に、長安が水素燃料電池に関する技術力を有することを内外にアピールしようとしている。

第三に、国の政策支援も大きな原因となっている。2022年に入り、中央および地方政府の水素燃料産業に対する重視度が明らかに強化されている。

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