GAIC、「提示価格高すぎ」、ファーウェイとの提携を解消へ

GAIC(広汽集団)は3月27日夜、傘下の新エネ車子会社である広汽AIONの「AH8プロジェクト」をファーウェイとの共同開発から自主開発に変更し、今回の変更後もファーウェイは引き続き重要なサプライヤーとしてGAICの自主ブランド車種の開発と提携に参加すると発表した。GAICは本プロジェクトの投資総額を9.25億元から12.33億元に引き上げて、追加分は自己資金で賄う。これは広汽AIONとファーウェイの提携が終了したことを意味する。

広汽AIONとファーウェイは2021年7月、「AH8プロジェクト」の共同研究開発で提携した。当時の計画によると、両社は広汽GEP3.0シャシープラットフォーム、ファーウェイCCAに基づき次世代スマートカーデジタルプラットフォームを構築し、ファーウェイのフルスタックスマートカーソリューションプランを搭載し、一連のスマートカーを共同で定義、共同開発する。

最初の提携モデルは、SUVタイプのAH8で、2023年に発売する予定である。それ以外に、同じプラットフォームをベースにしたMPVとハイエンドクーペも今後投入する計画である。

しかし、初提携モデルの量産を数ヵ月後に控えて、GAICは突然ファーウェイとの「離婚届」を提出した。

ファーウェイが自動車業界に参入して、自動車メーカーの「魂の奥」(智能化)に入り込み、高い価格設定で多額の利益を得ようとしている。ファーウェイとの提携により、自動車メーカーに残されたのは「虚名」だけであると業界関係者が指摘している。例えば、ファーウェイと提携しているSERESは、売り上げがあるにもかかわらず、ブランド力も技術も利益も実は得られていない。

ファーウェイは、自社に高い技術力があり、CASEのトレンドの中で、伝統的な自動車メーカーは生き残るためには、ファーウェイと手を組まなければならないと自信を持っている。

2022年初、ファーウェイ常務取締役でコンシューマーBG CEOのリチャード・ユー(余承東)氏はある内部会議での発言が不用意にリークされて、業界では波紋を呼んだ。ユー氏は、一部の自動車メーカーは、ブランド力も、販売ネットワークも、販売実績も、製品設計の力も、よいユーザー体験もすべてなく、新勢力にも負けており、今後生きていられないと伝統的な自動車メーカーを貶した。

これは、ファーウェイの強気と高価格を求める背景であろう。2022年8月初め、あるサミットの会場で、広汽AION副総経理の肖勇氏がファーウェイの「提示価格が高すぎ」と不満をこぼした。肖勇氏は「自動車メーカーが製品を作るには、革新技術と合理的なコストをバランスよく考慮すべきだ」と付け加えた。そしてその1ヵ月後ネット上では、広汽AIONとファーウェイとの提携が頓挫するとの噂が流れ始めた。

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