理想汽車はこっそりと乗用車プロジェクトを停止させ、国産テスラと無理に戦わない

ベンチャーITメディアの36krは、理想汽車の上層部に近い関係者および複数の経営陣から、同社が予定していた乗用車プロジェクトを停止させたことを知らされた。

理想汽車の上層部に接触したサプライヤーの1人も前出のメディアに対して、理想汽車の最初の製品は7シートのレンジエクステンダー付きSUVで、2番目の製品は乗用車だったが、開発から半年後、数カ月前に停止したと伝えた。

乗用車プロジェクトが停止したことについて、理想汽車は「当社はこのような乗用車の開発を発表したことはなく、内部で開発を検討しただけだ」と答えた。

前出のメディアによると、理想汽車の次期乗用車モデルは2022年に発売する計画で、まだまだ先のことだ。しかし、乗用車プロジェクトは「開発を検討しただけ」というほど「軽い話」ではない。メディアは複数の上層部から、この乗用車は最初にBEVにする計画だったが、後にレンジエクステンダー付きEV案に変更し、約半年間研究開発し、設計完了の段階に入っていることを明らかにした。

「最初はBEVを作ろうと思っていたが、後でレンジエクステンダー付きEVに変更した。我々は短期的にはレンジエクステンダー技術に集中する」とある関係者が話した。

そのため、BEVを棚上げし、レンジエクステンダー付きEV案に注力することが、理想汽車が数多くのEVベンチャーと異なった特徴となっている。前出のメディアによると、理想汽車のレンジエクステンダー技術路線は大手投資機関から評価されず、融資に多くの苦労を経験していたが、今年に入ってCラウンド融資を開始してから、ようやく米団点評CEOの王興氏から「ラブコール」を得た。

5月から、王興氏は数回にわたって理想汽車を訪れ、最終的に7月末に投資協議を締結し、理想汽車はCラウンドの5億3000万米ドルの融資を獲得し、評価額も29億3000万米ドルに上昇し、NY上場の蔚来汽車に迫った。

なのに、なぜレンジエクステンダーへ技術路線を切り替えた後も、乗用車プロジェクトを停止させたのか。ある理想汽車のトップはメディアに直言した。「乗用車プロジェクトを取りやめたのは、われわれが優位性を持つ分野により多くのリソースを配分しようとするためだ。テスラのModel 3はもうすぐ国産化になるので、無理をしてテスラと戦うのが賢明ではないだろう」。

また、乗用車プロジェクトの中断について、上記の関係者が李想氏の口から聞いたのは、「乗用車市場は大きく落ち込んでおり、利益も高くない」という理由だった。

2018年初頭、低速EVを巡る政策上の制約を考慮した李想氏は、すでに量産している低速電気自動車のSEVプロジェクトを停止させた経緯があった。「李想氏はいつも思い切って梶を切るタイプだ」と同関係者がコメントした。

理想汽車の2つの製品(左が発売断念のSEV)


参考記事:https://36kr.com/p/5237637

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