NIO、100 KWhバッテリーを発表、李斌氏は5年前の目標を達成

 NIO(蔚来)は11月6日、ついに100 KWhバッテリーのアップグレード案を発表した。

 NIOにとっては、2015年に打ち出した「車両とバッテリーの分離、バッテリーのレンタル、充電・交換・アップグレードが可能」という目標をついに達成した。

 100 KWhバッテリーのアップグレードにより、新型ES8は580㎞、ES6は610㎞、EC6は615㎞の航続距離が可能になる。

NIOが今回発表した100 KWhバッテリーのアップグレード案には、永久アップグレードと柔軟アップグレードの2つのプランが含まれている。

 永久アップグレードプラン

 非BaaS(注)ユーザーの場合、アップグレード料金は一括で58000元、永久アップグレードバッテリーは100 KWh(ポイント決済対応)となり、オプションの84KWhバッテリーを搭載したユーザーがより良い体験をするため、84KWhから100KWhまでの価格もさらに引き下げられる(ポイント決済対応)。

 BaaSユーザーの場合、車の価格は128000元減額され、毎月1480元のバッテリーレンタルサービス料を支払う必要がある。なお、アップグレード完了後の次の請求月からは、バッテリレンタル料金は100度バッテリーに基づいて計算される(アップグレード後は70KWhバッテリパックの交換は行われない)。

 柔軟アップグレードプラン

 70KWhから100KWhにアップグレードする場合、月額アップグレードの料金は880元、年間アップグレードの料金は7980元になる。

 NIOの100 KWhバッテリーの凄いところ

 NIOのバッテリーシステム担当責任者によると、NIOが100 KWhバッテリーを開発した当初の目的は、電力量と航続距離の拡張だけでなく、電池の安全で信頼性の高い運転を保証することだった。この過程において、NIOはバッテリー開発パートナーとともに300件を超える技術特許を出願した。車の所有者が安心してグレードアップできる4つの技術的特徴がある。

 第一に、電池パックが熱暴走した後、煙が出るだけで発火しない。この設計の動作ロジックは、ステップ1では、熱暴走センサーがバッテリーパック内部の圧力をリアルタイムで監視し、圧力に異常が発生すると車両全体を覚醒させるというもので、通報者に相当する。ステップ2では、車の水冷システムが自動的にオンになって温度を下げ始め、消防士が消火を開始するイメージだ。

 また、パートナーと特殊な断熱材を共同で開発した。断熱係数は従来の材料の数倍になる。そのほか、30秒以内にすべての煙を排出できる煙道を設計して、問題が発生した場合のバッテリーパックの膨張によって膨張させた空間を利用して迅速に排煙する。

 第二に、全天候型の温度制御は、冬と夏の航続時間が安定させている。新しいシステムで、NIOは、キャリブレーションを通じて、精密なセルモデルを構築し、その中のいくつかの問題点を探し出し、夏季の航続距離を10%、冬季の航続距離を7%向上させた。同時に加熱に使われるエネルギーを30%最適化した。

 第三に、高集積化されたCTP(Cell to Pack)は、1つ1つのセルを積み重ね、多くの構造部材をなくし、プロセス全体の難点をより信頼性の高いものにしている。バッテリーパックの耐衝撃、振働、衝突などの能力が低下しないことを保証する前提の下で、この技術は19.8%の体積利用率、37%のエネルギー密度、17.5%の熱管理性能、40%の製造組立の簡素化を向上させた。これが100度の電池パックが同じ大きさ、ほぼ同じ重さを保っている理由になっている。

 第四に、エンドとクラウドを融合させたBMS (Battery Management System)で、NIOは、クラウドデータにおける自社の優位性を発揮している。今後、NIOは、ユーザーの車両とバッテリーの使用データを追跡し、特定のキャリブレーションパラメータを与える。クラウドでプッシュ配信することで、車の所有者が最適なソリューション(航続距離、熱管理、バッテリー性能)を実現できるようになる。

注:BaaS(battery as a service)=NIOのバッテリー・レンタル・サービス、詳細は過去記事「BaaS、NIOはバッテリーレンタルサービスを発表」参照


参考記事:https://www.d1ev.com/news/qiye/131485

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