SAICとアリババ、新ブランド「智己汽車」を設立

上汽集団(以下は「SAIC」)、浦東新区政府、アリババが共同で設立した100億級事業「智己汽車」が26日、正式にスタートし、今後浦東新区張江スマートパークに設立されると発表した。これは、広汽のAION、北汽のARCFOX、東風汽車の嵐図、長安汽車がこのほどハイエンドブランドの構築を発表したのに続き、「ナショナルチーム」(国有完成車メーカー)のもう一つのハイエンド電気自動車ブランドとなる。

これで、国内のほとんどすべての主流自動車グループは、自社ハイエンドブランドを発表した。

なぜ「智己」という名前なのか。「周易」を調べると、「智己」は知恵で万物を周到にすることを意味し、「智己汽車」は人と車が共生するスマートモビリティの新時代を築くことを意味しているそうだ。

実は私達が最初に知った「智己汽車」は今の名前ではなくて、コードネーム「L」という、2年前から準備を開始したハイエンドスマートEVを主力としたSAICの「プロジェクト1」だ。

ブランドの位置づけから見ると、「智己汽車」は最近のSAIC乗用車のRブランドとは異なる。RはSAIC乗用車傘下のブランドに過ぎない。対して「智己汽車」はSAIC乗用車と平行し、上汽フォルクスワーゲン、上汽GMと同レベルだ。

「智己汽車」の初期融資規模は過去最大の100億元だと報じられた。計画は従来の国有企業モデルから脱却し、市場化された資本運営モデルを採用し、業務拡大と結び付けてより多くの社会資本を導入する予定だ。各社の出資比率として、SAICが54%、浦東新区政府系ファンド「浦東投資」が18%、アリババが18%、その他が10%を占めている。

アリババにとって、スマートカーは自社業務の一つに過ぎないが、ファーウェイが次世代自動車産業サプライチェーン構築への布石を打ち始めているなかで、アリババは座視することができない。中国最強のAIコンピューティングとクラウド処理能力の称号を、アリババは明らかにファーウェイに譲りたくない。

言うまでもなく、SAIC、浦東新区政府、アリババは、どちらも「智己汽車」の成功を望んでいる。しかし、3者の連合は経営陣の発言権争いを意味する。SAICとアリババが共同でBanmaを設立した後、どのような変化を経験したか忘れられない。両社の勢力争いは、Banmaのコアチームや製品技術の幹部の大量の離職をもたらした。SAICとアリババの物語はまだ終わっていないのに、地方政府が加わることで、このニューブランドの前に不確実性に満ちた未来が広がっている。

ましてや「智己汽車」は、SAICの旧指導部が主導する。内部にフラット化された管理方式があるかどうかは分からないが、この点だけで「智己汽車」を単に伝統的な国有自動車メーカーの一つに過ぎないと言わざるを得ない。


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