やめられないわ、3回目の自動車の農村進出イベント開始へ

報道によると、新たな自動車の農村進出計画は6月初めに発表される。ガソリン車と新エネルギー車を含む15万元以内のエントリークラスを対象として、1台当たり3000-5000元の補助金が支給されるという。

今回の新たな自動車の農村進出イベントは、最近の自動車市場の低迷と大きな関係があることは明らかである。今年1-4月、原材料価格の上昇に加えて、オミクロン株の感染拡大およびそれに伴う各地の行き過ぎた防疫対策の影響で、企業倒産、失業拡大が頻発し、消費マインドは急激に悪化している。

今回の自動車の農村進出イベント再開のニュースが出る前に、国務院は自動車の農村進出の奨励を2回言及した。最近の景気低迷を受けて、多くの地域は自動車販売の促進政策を検討し始めているが、自動車の農村進出が再び脚光を浴びたのは、過去において大きな成果が挙げられ、「病みつき」になったためであろう。

自動車の農村進出イベントは過去において2回実施された。

2009年年初に、自動車の農村進出イベントが初めて提案された。当時、金融危機の影響を受け、国内自動車市場の伸び率は大幅に落ち込み、2007年の21.8%から2008年の6.7%に低下した。自動車販売を促進するため、2009年3月1日から12月31日までの間に排気量1.3リットル以下のマイクロバスを購入することや、三輪や農用低速トラックを廃車にして軽トラックに買い替える場合には、1回限りの財政補助金を支給するという政策が打ち出された。

政策のテコ入れにより、2009年の自動車市場の伸び率は46.1%と急増し、小型車市場は100万台に成長した。それを受けて、同政策は2010年年末まで1年間延長された。

2018年から、中国の自動車市場は対前年比伸び率がマイナスとなり、踊り場に入った。2019年から、自動車の農村進出イベントが10年ぶりに再開された。ただし今回は2020、2021年まで続き、新エネルギー車の農村での販促に重点を移行し、新エネルギー車の販売拡大に大きく貢献したほか、2020-2021年新型コロナウイルス感染拡大で低迷した自動車市場をある程度緩和した。

しかし3回目になる今回の自動車の農村進出イベントは、自動車市場にとって「起死回生の妙薬」になるとは限らない。

今年第1四半期の調査によると、農村を含めて生活者の貯蓄志向が前期比2.9ポイント高まった一方、投資意欲は1.9ポイント低下した。その原因は、感染症拡大とそれに伴う厳しい防疫対策の影響により、収入が大幅に減少しているだけではなく、将来の収入見通しが楽観的でないことから、自動車購入計画を延期したり、中止したりする可能性もある。つまり過去と異なって消費マインドが下がってきていることである。

中国語では「一鼓作气、再而衰、三而竭」ということわざがある。一回目は勢いがあり、二回目は気が散り、三回目はやる気がなくなる、という意味である。3回目に当たる今回の自動車の農村進出イベントは、再び自動車市場を活性化させる効果が期待できないかもしれない。

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