新エネルギー車クレジット相場、ジェットコースターのように急落

綜合経済情報サイトの「経済観察網」によると、3月3日、ダブルクレジット政策や相場を調査・研究している第三者機構の中汽数据有限公司(以下は「中汽データ」)は他の共同研究機関と研究報告書を発表した。

報告書によると、2021年度のクレジット計算年度のポイント当たり予測価格は2600-2900元であるのに対して、2022年度1-9月の予測価格帯は1000~1400元に下がる。

これはわずか半年で、関連機構が新エネルギー車のクレジット相場の見通しを約半分に下方修正している。これはこれまでの新エネルギー車クレジットに対する業界予測と大きくかけ離れている。これまでの業界予測では、2021年末に新エネルギー車クレジット相場は3000元に上がり、2022年にさらに上昇し、1万元を超える。

最近、自動車メーカーが対外的に明らかにした実勢クレジット取引価格は、中汽データが出した予測値よりもさらに低いものである。

「2021年に新エネルギー車の販売台数が160%拡大したため、プラスクレジットが増えて相場は500-800元まで下がった」と長城汽車ORAブランドCEOの董玉東氏はこのほど、経済観察網の記者を含むメディアの取材を受けた際に明らかにした。メディアは、クレジット相場が大きく下落した事実を、別のメーカーの内部関係者からも確認した。

新エネルギー車クレジット相場が大幅に急落した原因の1つは、販売台数の増加に伴うプラスクレジット供給の増加と考えられている。データによると、2021年、国内の新エネルギー乗用車小売販売台数は前年比169.1%増の298.9万台に達した。乗連会(全国乗用車情報連席会)のデータによると、2021年の新エネルギー車クレジッドは843万ポイントに達し、2020年の542万ポイントから300万ポイント上昇し、前年同月比では55%増加した。

供給が伸びる一方で、クレジット需要の伸びはさえなかった。新エネルギー車の販売台数が伸びる中、多くの自動車メーカーはグループ内のクレジット譲渡で需給を調整しているからである。昨年、小型EVの五菱宏光MINIEVや長城ORAのCATシリーズは売れ行きが好調で、グループ内企業に新エネルギー車クレジットが譲渡できるため、MINI EVのクレジットは上汽VWなどのガソリン車の販売が多いメーカーに譲渡された。ORAのクレジットも長城グループ内の需要を満たすことができたという。

「ガソリン車の販売台数の減少に伴い、(政府は)新エネルギー車比率を昨年の14%から今年は16%に引き上げた」と業界関係者は、これらも新エネルギー車クレジットに対する需要を押し下げる要因の1つだと指摘した。

乗連会によると、2021年の新エネルギー車クレジットを最も稼いだのはテスラで158万点、次はBYDの152万点である。ベンチャー系自動車新勢力は合計134万点で3位となった。しかし同時に、江淮汽車、華晨汽車、奇瑞汽車、吉利汽車、第一汽車などの伝統的な地場メーカーが稼いだ新エネルギー車クレジットは最下位で、前者から、クレジットを購入せざるを得なかった。

前出の中汽データは報告書の中で、新エネルギー車クレジット相場について比較的に保守的な見積りを出しているが、「今年の(新エネルギー車の)販売台数が420万台かそれ以上に販売されば、クレジット相場はさらに下がり、1ポイント当たり200元になる可能性がある」と長城ORAブランドCEOの董玉東氏は述べた。

昨年末、BYD、テスラ、NIOなど、多額の新エネルギー車クレジットを手にした自動車メーカーは、いずれも数十億元のクレジット収入が見込まれていた。しかし、今後クレジット相場の低下に伴い、収入も大きく低下するであろう。


参考記事:http://www.eeo.com.cn/2022/0304/524085.shtml

1068