電気自動車、冬場の航続距離は3-4割減、3年間で6割以上の価値を失う

冬がやってきて、新エネルギー車ユーザーはまた電気自動車の航続距離を心配し始めている。

国家自動車技術研究センターが昨年発表した資料によると、冬場の電気自動車の航続距離に影響を及ぼす主な原因は、屋外の温度とエアコンの電力消費である。試験結果によると、屋外で摂氏マイナス7度、車内で摂氏22度を維持した場合、新エネルギー車両の平均航続距離は39%低下し、バッテリー温度制御システムを備えていない一部の車両は60%低下する。

現在、動力電池には低温耐性の面で課題が残っている。中国工程院が今年8月に発表した記事によると、ガソリン車のエアコン暖房はエンジンの排熱を熱源として利用することで車両に熱を供給するが、電気自動車の暖房として利用できる熱源が限られるため、PTC(正温度係数)サーミスタによる暖房などに頼らざるを得ない。関連研究によると、エアコンをつけた状態では、24℃の快適な環境と比べ、マイナス7℃の寒冷環境では新エネルギー車の走行距離が平均41%減少し、35℃の高温環境では17%減少し、極端に高低温環境ではエアコンのエネルギー消費が電気自動車の航続能力を大きく制約している。

現在、中国国内の新エネルギー車は基本的に冬の寒冷地における航続距離の減衰という問題に直面している。「夏は週に1回充電していたが、今は3日に1回充電しなければならない。冬は航続距離が基本的に3割引になる」とNIO ES6のユーザーが記者に明らかにした。

「減衰幅は具体的な気温状況による。我が国では、バッテリーの航続距離が10~20%減衰するのは正常な範囲といえる。北方の極寒地域では30%以上減衰する可能性がある。また高速道路の高速走行(時速100-120キロ)の場合、航続距離の減衰がより速くなる」と中関村新型バッテリー技術革新連盟幹事長、バッテリー百人会理事長の于清教氏は記者に語った。

注目すべきは、原材料価格の上昇などから、リン酸鉄リチウム電池を搭載する車種が増えていることである。リン酸リチウム電池は三元リチウム電池よりも耐低温性能が劣っており、昨年冬で同バッテリー搭載のテスラModel 3のユーザーから不満の声が上がっていた。中国自動車動力電池産業革新連盟が発表した最新のデータによると、今年7月、リン酸鉄リチウム電池の搭載量が初めて三元リチウム電池を上回った。第1-3四半期から見ると、リン酸鉄リチウムの割合は三元リチウム電池に近づいている。

電気自動車の残価率の問題も一部のユーザーを悩ませている。中国汽車流通協会と米COX、自動車ポータルサイト「易車」が共同で発表した「2021年10月中国自動車残価率研究報告」によると、車齢3年のEV残価率は39.6%にとどまり、ここ数年で若干向上したものの、車齢3年のガソリン車の残価率65%とは大きくかけ離れている。一方、電気自動車の買い替えサイクルは思ったよりも速くはなく、現在の中古市場で主な電気自動車は依然としてテスラとBYDの旧式モデルが中心である。


参考記事:https://www.yicai.com/news/101228172.html

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