中国地場ブランドの新エネ車、欧州で売れているか

最近の発表によると、2022年上半期、中国の自動車輸出は前年同期比47.1%増の121万8千台である。うち新エネ車の輸出台数は前年比1.3倍の20.2万台で、自動車輸出全体の16.6%を占めて、中国の新エネ車の輸出は勢いがついているような印象である。ただし、新エネ車輸出に、テスラ上海ギガスーパーから輸出された97182台が含まれて、新エネ車輸出総数の48%を占めることに留意したい。

では、テスラやボルボのポルスターなどの外資系ブランドを除いて、中国ブランドの新エネ車の輸出はどうだろうか。中国の新エネ車の輸出先はほとんど欧州であるため、欧州の新エネ車市場の状況を調べれば、中国地場ブランドの輸出実績がわかる。

2022年1-7月欧州14ヵ国の新エネ車販売TOP20

2022年1-7月欧州14ヵ国における中国ブランドの新エネ車販売ランキング

思うほど、中国地場ブランドの新エネ車は欧州では売れていない。唯一MGが1万台を超えてTOP20に入ったが、MGは中国SAIC(上汽)が買収したイギリスブランドで、欧州の消費者の間で昔から馴染みがあった。

欧州市場進出は、中国地場ブランド各社が積極的に取り込んでいるものの、実際たいして売れていない。コストがかかり、競争の激しい欧州市場への進出の狙いは何だろうか。実は、それは、欧州の厳しい基準をクリアして、欧州の消費者から認知されたとのイメージづくりで、狙いは中国国内市場での自社ブランドイメージの向上に他ならない。

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