新車に「ブラックボックス」強制取付けへ

 科学技術情報サイトの「快科技」によると、工業情報化省は昨年末、「自動車運行安全技術条件」を発表し、2022年1月1日から生産した乗用車にEDRを搭載するよう要求した。

 EDRは、航空機に必須の「ブラックボックス」のようなもので、車両の衝突前、衝突時、衝突後の3段階における自動車の重要なデータ(速度、ABS状態、シートベルトの状態などを含む)を記録するために用いられる。

 新エネルギー車独立研究者の曹広平氏によると、事故中にドライバーがブレーキペダルを踏んだ行為について、EDRは減速から完全停止までのブレーキ信号をミリアンペア単位で保存し、事故の全過程を記録する。

 EDRはブレーキデータのほかに、車速、前後左右の加速度、ハンドルの回転角、ブレーキ・アクセルの状態など、車両の状態も記録する。特にADASなどの運転支援機能がついている車両が事故を起こした場合、EDRは車両のシステム故障なのか、人為的な操作ミスなのかを見分けることができ、事故の責任を判定するのに役立つ。

 近年、運転支援機能つきの新エネルギー車が増えて、衝突事件が発生するたびに、「ブレーキが効かなかった」など主張するユーザーが増えている。証拠が不足で、判定が難しいため、このような事故は交通管理側にとって扱いにくい。EDR設備のデータがあれば、事故の具体的な原因を簡単に判定できる。

 実際には、米国で発売される新車の99%はEDRを搭載しているが、中国では、EDRの搭載率は約10%しかない。現在、EDRを搭載しているのはBMW、ベンツ、NIO、BYDなどのメーカーだけである。

 EDRの平均コストは1000元前後かかるが、大規模搭載に伴い、300-500元に低下する見通しで、このコストはメーカーが負担することになる。


参考記事:https://news.mydrivers.com/1/814/814572.htm

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