売上高虚偽申告強要、地場メーカーCEOが地元政府トップを実名で告発

1月14日夜、雷丁汽車という地場メーカーのWeChat公式アカウントによると、同社創業者でCEOの李国欣氏は、地元政府の業績を過大に見せかけるために、2022年10ヵ月分の売上高を実績の3倍以上に申告するよう強要したとして、山東省イ坊市昌楽県の共産党書記である王驍氏を実名で告発した。

告発によると、「(同党書記から)恐喝、脅迫を受けている。当社は3月から12月まで、10ヵ月分の売上高は20.5億元しかなかったのに、彼は私達に67.28億元を申告し、約50億元の水増しを強要した」。また、同党書記は、2022年3月から、雷丁汽車を含む地元の有力企業に対し、工業生産高と販売高などを計数百億元水増しするよう要請した。

雷丁汽車は2008年に設立され、当初は都市部の乗入禁止の低速電動4輪車が主な事業であった。2018年から政府による低速電動4輪への管理強化に伴い、一時経営危機に陥ったが、2018年4月に同社が陝西省にある倒産した自動車メーカーを買収し、新エネ商用車と特殊車の生産資格を取得し、四川省咸陽市に新エネ車の生産拠点を設立した。その後、2019年1月に14.5億元を投じて四川省の地元メーカーで経営困難に陥った野馬汽車を買収し、新エネ車、内燃機構乗用車、商用車の生産資格を取得したが、新車投入が遅く、販売成績は芳しくなかったため、企業運営は融資に頼っている。

地元共産党書記に対する告発は、融資許認可をめぐるトラブルが発端だったとの見方はあるが、メディアが注目しているのは、当局による企業への水増し要請というとんでもない事実である。

今回は氷山の一角に過ぎないかもしれない。別の情報ソースから、国有自動車メーカーの一汽の各地域に展開している拠点も地元政府からの架空申告要請を受けたことがあると聞いた。

GDPを含めて中国の統計は、実際経済活動を営んでいる多くの人の肌感覚と大きくかけ離れていると言われている。その理由がなんとなくわかる。

310