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ファーウェイ、「業務IT一体化」組織モデルを模索

 テクノロジー情報サイトleiphone.comの報道によると、ファーウェイはこのほど税関・港湾軍団、スマート道路軍団、データセンターエネルギー軍団、スマート太陽光発電軍団を設立すると発表した。

 これも炭鉱軍団に加えて、ファーウェイが設立した5つの軍団となった。階層的には、ファーウェイの軍団は既存のキャリアBG、エンタープライズBG、コンシューマーBGと同じクラスに属している。

 ファーウェイは2021年初め、「炭鉱軍団」の設立を発表し、産業の基礎研究、製品開発、商業化デリバリーを組み合わせ、産業チェーンを短縮し、需要に迅速に対応し、技術革新を通じて、世界の石炭業界のデジタル化モデルチェンジを推進すると表明した。

 ファーウェイの「軍団」とは具体的に何を指すのかについて、CEOの任正非氏は今年2月にメディアの取材を受けた際に、「軍団」とは基礎研究の科学者、技術専門家、製品専門家、エンジニアリング専門家、販売専門家、デリバリーとサービスの専門家をすべて1つの部門に集め、製品の進化の周期を短縮することだと述べている。「ビジネスを粒子化(ビジネスごとの垂直統合)するのが『軍団』モデルで、これはGoogleから生まれたモデルである。いま国内の港や埠頭ではすでに実用化が始まっている。将来、深セン空港、上海空港、ドバイ空港を見学すればわかる。われわれは空港運営の効率を大きく向上させている。例えば、雷雨の天気に遭遇したり、あるいはいろいろなトラブルで空港ダイヤの乱れが発生した時、ボーディングブリッジを再手配しなければならないが、人の手で普通4時間かかる仕事は、今は数秒でできる。また、滑走路での滑走時間を1機あたり2分短縮するなど、効率を大幅に改善している」と任氏は紹介した。

 ファーウェイ軍団が設置した根底にある組織ロジックは、IT技術力の最大の価値を引き出すために、ビジネスとIT技術を徹底的に一体化する必要があるということである。

 いま多くの企業は、機能ごとに部門を設立している。各部門はそれぞれの機能を担い、部門間が独立している。その中で、技術部門はサポート部門として、複数の業務部門に同時にサービスを提供している。しかし、技術者の多くは業務内容をよく理解していないため、業務ニーズの実現サイクルが長く、時間と人件費が膨らんだり、限られたリソースの配分が難しいなどの問題が存在している。

 このような「遅い、高い、難しい」問題を解決するために、2010年以降、ファーウェイはプロジェクトごとに業務担当者と技術者を一体化した垂直統合型のプロジェクトチームモデルを導入し始めた。いまの軍団は、プロジェクトごとではなく、ビジネスごとに垂直統合型した独立子会社のような組織構成であり、長期的に固定化された組織形態を維持する。

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