理想L9「自動運転」走行中に衝突事故

1月25日、ベンチャー系自動車新勢力の理想汽車のあるユーザーは微博(ウェイボー)に、理想L9の「自動運転」モードで高速走行中に前方を並走する車両と衝突したと投稿した。

同ユーザーによると、当時、理想L9 がNOA(Navigate on Autopilot)モードで走行していた。速度113km/hの時、右前からゆっくり車線変更する車があり、理想L9の「自動運転」システムは何の警告も、自発的な減速の作動もなかった。同ユーザーは危険を感じてブレーキを踏んだが間に合わず、時速100km/hのスピードで前走車の左後方に激突してしまった。

その後、理想汽車CEOの李想氏は微博(ウェイボー)で、L9と衝突し前方車両は「自殺みたいな割り込み」だと述べ、運転支援システムの作動の全過程を同ユーザーが公表することを希望した。また、理想汽車側は、データは正常であり、NOAに問題があったとは認められなかった。

これに対して、ネット上の意見が分かれている。一部のネットユーザーは、割り込んだ車両はいくら「自殺みたいな」行動でも、NOAシステムは警報を鳴らし、ブレーキをかける動作がなかったのがおかしいと主張し、理想汽車が責任をユーザーになすり付けようとしていると非難した。

他方、一部は、当時の状況ではいかなるADAS(高度運転支援システム)も対応することは不可能であり、同ユーザーは「運転支援」の意味を正しく理解しておらず、自動運転機能に過度に信用していると反論した。

現在中国の法律では、L3以上の自動運転車両の登録が認められず、市販されている自動運転可能な車両は、L2プラスアルファのADASつきのものである。自動車メーカーは自社製品の先進性をアピールするために、性能や精度を誇大宣伝しているのは無責任な行為として非難されている。おかしいのは、メーカーの誇大宣伝を信じて、機械の信頼性を自らの命で実証しようとするユーザーも後を絶たないことである。

保有台数の増加に伴い、「自動運転」中の死亡事故が増えて深刻な問題に発展している。今回の事故は死亡者がでておらず、よほどのことがなければ、大きな騒ぎにならないが、一部の専門家は、「ユーザーは安全上の問題では、メーカーとともに成長する義務を負う必要がない」と警告している。

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