Weltmeisterを買収したApolloは、百度と無関係

 百度Apolloは、オープンソースの自動運転テクノロジープラットフォームとして知られている。

 昨年12月5日に、Apollo Future Mobility(Apollo智慧出行集団有限公司、以下は「Apollo」)という会社が、スマート電気自動車を手掛ける会社を買収する予定があることを明らかにした。買収される企業は、経営危機に陥っているベンチャー系自動車新勢力のWeltmeister(威馬汽車)であろうと世間が推測していた。

 今年に入ってついに1月12日、Weltmeisterは公式に、ApolloとWeltmeisterが条件付き売買契約に合意し、株式割当金総額を約39.18億香港ドルとし、臨時融資額を約7.2億元とすることを提案したと発表した。これは、ApolloによるWeltmeisterの買収のうわさが事実となり、ネット上では、百がWeltmeisterを買収したのではないかと騒いでいるが、それは勘違いだと指摘されている。

 実際には、今回の買収は百度Apolloとはなんの関係もなく、たまたま「Apollo」という名称が一致しているだけである。

 2021年11月後半から、Weltmeisterは従業員の減給などで延命措置を講じたが、景気全体の減速と競争の激化により経営破綻の危機に直面している。

 一方、百度Apolloは自ら自動車を生産せず、OEMへの自動運転ソリューションの提供でビジネスを成り立たせようとしているが、興味を示してくれるOEMは少なく、現在ロボタクシーの実用化を模索しているが、自動車生産資格を有する自動車メーカーを買収すれば、本格的に自動車産業に参入することができる。

 とにかく今回Weltmeisterを買収したのは百度Apolloではない。

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