年間32億の赤字、恒大の新エネルギー車はもう造れない?

以前の記事で大手不動産ディベロッパーの恒大が新エネ車事業に参入したことを紹介したが、最近新エネ車補助金の後退や市場全体の低迷でNIOや小鵬などの新エネ車ベンチャーのパイオニアすら苦しい状況を陥っているのに、不動産ディベロッパー出身の恒大はどうなっているかは気になる。最近恒大に関する記事があったため、再度紹介する。)

「恒大グループの新エネルギー車の生産台数は年間100万台に達し、3~5年で世界最大、実力最強の新エネルギー車グループになる」とかつて会長の許家印氏の狂気に満ちた野望は、最近公表された恒大の業績見込みとともに、未知の淵へと向かっていく。

3月22日夜に発表した恒大の業績見通しによると、コア業務純益は前年比約48%減の約408億元、業務純益は同比約50%減の約335億元、自動車製造業務は32億元の赤字になる見通し。

コア業務純益と業務純益がともに前年比で大幅に減少し、機関や投資家の予想を大きく上回り、香港株の取引終了時点で、同社の株価は16.89%急落し、時価総額は1日で267億4500万元蒸発し、自動車スタートアップ企業NIOの時価総額を上回る価値が消えた。

許家印氏は2018年3月27日、香港で「新恒大、新起点、新戦略、新青写真」を発表し、恒大の目標を「2020年までに、総資産を3兆元、年間販売規模を8000億元にする」とし、1兆香港ドルの市場価値を維持できるとした。

この目標を達成するために、許家印氏は、新エネルギー自動車事業に期待に置いた。「新エネルギー自動車がガソリン自動車に取って代わるのは、非常にはっきりしたトレンドであり、将来の新エネルギー自動車市場も巨大な市場になるだろう」と、そこで恒大は「爆買」(新エネ車関連企業買収)の道をまっしぐらに突っ走り始めた。

恒大の新エネ車事業向けの投資予算は3年間で450億元で、うち2019年に200億元、2020年に150億元、2021年に100億元を投資する予定。

450億元で計2800億元以上の投資計画を実施し、スウェーデンの電気自動車会社NEVS、CENAT(上海Ka耐新能源有限公司)、イギリスのインホイールモーター企業 Protean、自動車販売チャンネルを持っている広彙グループなどの株式を取得し、中国とスウェーデンなどの国に10大生産拠点を配置し、15車種の新車種を同時に研究開発している。

コストを惜しまないスタートを切った後、恒大が自動車製造投資の初年度の成績表を出したが、直視するのは忍びない。32億元の赤字だが、この赤字はほんの始まりにすぎない。競争相手の状態を参考にすれば、恒大の赤字への道のりはまだ長いだろう。

确実に恒大は今の暮らしはあまり良くない。一方で、新エネ車事業はキャッシュフローを消費し続けており、他方では、不動産業は負債と在庫がともに高い企業になり、キャッシュフローがプラスからマイナスに転じるなどの問題に直面している。それなのに、新エネ車事業に引き続き投資しなければならないというジレンマを直面している。


参考記事:https://www.d1ev.com/news/qiye/112100

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