DiDi、5年間で100万台、自動車産業の新たな枠組みに挑戦

DiDiは11月16日、12回目の「DiDi Open Day」イベントを開催し、初のカスタムネット配車専用モデル「D1」を発表した。これは、モビリティプラットフォーマーが主導して発売した初の新型モデルとなる。

D1は、DiDiとBYDが共同で設計・開発したものだが、ネット配車のためにゼロから開発した例といえば、D1が初めてだ。そして、走行距離に応じてメーカーに料金を支払う初の自動車製品となる。DiDiの創業者兼CEOの程維氏によると、この車は1キロ当たり2元の価格でBYDに料金を支払う。これにより、DiDiは正式に走行距離に応じて料金を支払うモビリティ事業者となる。

程維氏の計画によると、2025年までに100万台のD1を整備する。これにより、自動車産業全体のビジネスモデルが変わり、主導権は、自動車メーカーから、ユーザーに直接サービスを提供するモビリティプラットフォーマーに傾きつつある。

実は、この2、3年の間に、「電動化、スマート化、ネットワーク化、シェアリング化」を謳っているCASEの波の中で、シェアリング化だけが実質的な成果を上げていない。程維氏はDiDiを率いてシェアリング化の旗を担がなければならないと表明した。

程維氏は、「100年前、自動車産業革命は欧州と米国で起きたが、今日、シェアリングモビリティの普及は中国で起きる可能性が高い」との見方を示した。

一般的な乗用車の外観とは異なり、D1は現在の都市部で目立った爽やかな青色を基調とした色調を採用している。車内空間はより広く、より高くなり、軸長比は63.8%と大きいものの、見た目では車体はそれほど大きない。運転手側と乗客側では、この車はそれぞれのニーズに合わせて個性的に設計されている。

運転手向けに、D1は高度にカスタマイズされたスーパーシート、モバイルブリーフケースなどを采用し、運転手が長時間運転中の疲労を軽減できるようにした。D1は車両とDiDiのプラットフォームを接続し、10.1インチの大型ディスプレイで操作できる。運転手はハンドルに設置された「DiDi」ボタンでワンタッチで注文を受けることができる。走行中に携帯電話で注文を受ける必要がなくなる。また、運転手の運営コストを下げるため、D1は賃貸料や充電などの面でより手頃だ。

乗客向けに、D1はより多くのリモート操作機能を備えている。例えば、乗客がD1を呼ぶと、プラットフォームは特定の色を割り当てる。この特定の色により、乗客は送迎車を探しやすくなり、DiDiアプリの画面上で複数の車と乗客の所在位置が重なって、お互いに見つからないという困惑を避けることができる。また、乗客は乗車前にDiDiアプリを通じて車内のエアコンの温度や風量などを調節することができ、運転手に要求する必要がない。安全上の理由から片側スライドドアを采用しており、フロアーが低いため乗降車が便利だ。

今回の発表会で、程維氏はシェアリングモビリティの目標設定を行った。2020年には初のカスタム配車「D1」を発表し、2025年には自動運転を搭載した配車100万台を普及させ、2030年までには新型車のDXから運転席をなくし、完全な自動運転を実現し、カーシェアリングの全モビリティ市場に占める割合を3%から30%に引き上げる。


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