SAIC、傘下の水素燃料電池開発企業を分割し「科創板」に上場へ

 経済誌「第一財経」によると、上海汽車集団(SAIC)は11月25日、子会社である上海捷Qing科技有限公司(以下「SHPT」)を分割し、中国版ナスダックである「科創板」に上場すると発表しました。この分割および上場により、SAICの株式構造に変更はなく、SHPTの統制を維持します。

 SAICは、SHPTを自社の独立した水素エネルギーおよび水素燃料電池事業の上場プラットフォームと位置付け、科創板上場を通じてこの分野のコア技術への投資をさらに拡大し、事業部門の強化を図ります。この取り組みにより、水素エネルギーと水素燃料電池技術の収益性と総合競争力を強化することを目指しています。

 現在、水素エネルギーの応用は国内でまだ初期段階にあり、2022年が水素燃料電池自動車の商業化の幕開けと見られています。

 SHPTは10月28日に初の燃料電池スタックプラットフォーム「M4」を発表し、これに基づく初の燃料電池スタック「M4H」と燃料電池システム「P4H、P4L」を同時に公開しました。

 一方で、トヨタ自動車傘下の水素エネルギー開発企業FCRDとFCTSは10月26日、中国市場で初めて商用車向けに開発・生産する燃料電池システム「TL Power 100」の販売を開始すると発表しました。これは、トヨタ自動車の第2世代MIRAI水素燃料電池エンジンの中国での販売開始を意味します。

 さらに、現代自動車は今年、広州市に水素燃料電池システム会社を設立し、広州モーターショーで世界で最も売れている水素燃料電池車「NEXO」の中国バージョンを発表しました。

 長年にわたり水素燃料電池の分野で取り組んできたSAICにとって、資本市場を活用して技術の進化と市場への展開を加速することは、非常に重要な戦略的な一環であると「第一財経」は分析しています。

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