BYDが語る固体電池の未来:商用化は3年以内が難しくも、5年以内に実現へ期待

9月27日、BYDの首席科学者であり、自動車チーフエンジニア、自動車工程研究院院長でもある廉玉波氏は、海南省で開催された「2024年世界新エネルギー自動車大会」において、固体電池が電池技術革新の注目分野であり、固体化によって動力電池の高エネルギー密度と高い安全性を実現できると述べました。また、BYDは固体電池の研究にも取り組んでいることを明かしました。

ただし、固体電解質のコストの高さや材料の制御性、生産プロセスの複雑さといった課題があるため、商用化にはまだ時間がかかるとし、3年以内での実現は難しいものの、5年以内には応用が期待されると述べました。固体電池はまず高級車種に導入され、ミドルやローエンド、エコノミーモデルへの普及にはさらに時間がかかると考えています。

また、廉玉波氏は「リン酸鉄リチウム電池はすでに市場シェアの約70%を占める主力製品であり、現在では70度、さらには50〜60度の電池で日常の使用に十分対応できる」と述べました。

同氏はさらに、「リン酸鉄リチウム電池は20年以上にわたる発展の中で、安定した製造プロセスや豊富なサプライチェーン、コスト効率の面で強みを持っており、今後も固体電池の研究や生産を支える役割を果たすだろう」とし、今後15年から20年にわたり、リン酸鉄リチウム電池は淘汰されることなく、固体電池と共存し、車種ごとに使い分けられていくとの見通しを示しました。

近年、固体電池の開発が加速しており、現在、SAICやGACなど多くの自動車メーカーが2026年までに全固体電池の量産を実現すると宣言しています。これらの自動車メーカーが宣伝するいわゆる固体電池は、実際には半固体電池であり、全固体電池とは大きな違いがありますが、こうした宣伝によって資本市場における固体電池への関心が高まり、関連企業の株価を押し上げています。しかし、BYDやCATLといった電池の大手企業を含む業界全体では、全固体電池の大規模量産にはまだ時間がかかり、製造プロセスやインターフェイスなどの技術的な問題を解決する必要があるという認識が広がっています。研究開発が順調に進めば、2030年以降に大規模な商業化が実現されると見込まれています。

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