マスク氏が中国市場でのFSD提供に期待も、認可には道のり

 ロイター通信によると、4月20日、テスラの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏が、ソーシャルメディアのプラットフォームX上でユーザーの投稿に返信し、テスラが間もなく中国のユーザーに運転支援ソフトFSD(完全自動運転)を提供する可能性があると述べました。マスク氏は「それはすぐに実現するかもしれない」と述べました。

 テスラは4年前にFSDを発売していますが、中国ユーザーが中国での発売を期待していたにもかかわらず、現時点でFSDは正式に発売されていません。背景は、中国現行の法規制では、外資系自動車メーカーが車載センサーを使って道路データを収集する行為が禁止されているためです。

 2023年11月、工業情報化省、公安省などはコネクテッドカーの参入と路上通行の試行作業に関する通知を発表し、自動運転機能を備えたコネクテッドカーに路上試行の機会を提供しました。しかし、テスラFSDの中国発売は、まだ正確な情報は出ていませんが、注目されています。

 テスラは米国でFSDの価格を1.2万ドルから8,000ドルに引き下げ、月額購読料を199ドルから99ドルに引き下げています。マスク氏は自動運転技術がテスラの主要な収入源になると述べています。

 中国本土の自動車メーカーも同様の完全自動運転ソフトを積極的に打ち出しており、例えば、Xpengは2024年までに全国のドライバーに全方位的な高級運転支援ソフトを提供する計画です。

 中国政府が近年、政権の安全に力を入れています。特にロシアのウクライナ侵攻に伴い、多くのロシア軍事高官がウクライナのミサイルにより殺害されたことに対して、ショックを受けているようです。そのため、中国政府はテスラのFSDの審査にいままで以上に慎重になっています。マスク氏の表明は中国市場のテスラ愛好家に新たな期待をもたらしましたが、FSDの中国市場参入には、データ収集のコンプライアン問題、データの保存、データの海外転送など多くの問題が残っており、これらの問題の解決には少なくとも2年かかる可能性があります。

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