GACとファーウェイの提携復活!スマートカー開発、脱出できないファーウェイ依存の実態

9月24日、GAC(広汽)はファーウェイとの提携による初の戦略的成果として、「1 Concept」と呼ばれるコンセプトカーを発表しました。しかし、この車の詳細についてはあまり触れないことにします。なぜなら、コンセプトカーには大きな期待が寄せられるものの、実際に商品化される際には多くの変更が加えられることが少なくないからです。私たちが注目すべき点は、この発表が、GACが最終的にファーウェイへの高い依存から抜け出せていないことを示している点です。

GACとファーウェイの関係は、2020年ごろから始まり、複雑な経緯を辿ってきました。最初の提携は、両社がスマートカー分野に共に進出したいという共通の目標からスタートしましたが、その道のりは決して順調ではありませんでした。過去には、企業の主導権をめぐってGACとファーウェイの間で意見の相違が生じ、協力関係に亀裂が生まれることもありました。

特に当時、ファーウェイは自社の技術を全面的に採用するようGACに強く求めており、GAC側では自社が単なるハードウェアサプライヤーに成り下がってしまうのではないかという懸念が募っていました。

GAC内には、ファーウェイの技術的優位性に対して懸念が根強く残っていました。一部の経営陣やエンジニアは、ファーウェイがスマート技術においては優れた成果を挙げているものの、自動車製造に関しては経験が不足していると考えていました。特に、ファーウェイがプロジェクトに対して過度な影響力を持つことが、GACの自動車業界におけるコア競争力、特に設計やエンジニアリングの意思決定を弱体化させる可能性があると懸念していました。さらに、ファーウェイの技術が自動車業界に本当に適しているのか、それともファーウェイ自体のエコシステムを強化するためだけのものであるのではないかという疑問も浮上していました。

こうした背景から、2023年3月にGACは一度、ファーウェイとの提携を解消するという決断を下しました。この決定は、GACが自らのイノベーションを推進し、独自の研究開発チームを設立するという方針に基づくものでした。

しかし、市場の競争が激化する中、GACは自力でスマートカー分野における優れた成果を出すのは予想以上に困難であることを認識しました。このため、ファーウェイとの提携中止はむしろ誤りだったと評価されるようになりました。GACは、ファーウェイの技術やイノベーションがスマートカーの体験を向上させる大きな潜在力を持っていることを再認識し、提携を再開することを決めました。

現在、GACはファーウェイを単なる技術サプライヤーではなく、戦略的パートナーと位置づけています。両社は共同で競争力のあるスマートカーを開発し、より広範かつ深い協力関係を築いています。このGACの態度の変化は、伝統的な自動車メーカーが技術革命に直面した際、どのように適応し調整していくかを示しています。

さらに、今年に入ってからGAC傘下の Trumpchi(伝祺)ブランドはファーウェイと「Harmoney(鴻蒙)提携契約式」を行い、正式にファーウェイの「Harmoneyエコロジーシステム」に加入しました。今年4月の北京モーターショーでは、両社は「Trumpchiファーウェイ共同イノベーション計画」を発表し、スマートシャシーやヒューマンマシンインタラクションなどの分野で深い協力と研究開発を進めることを決定しました。

そして9月19日、両社はデジタル化戦略提携の覚書を締結し、デジタル化分野での協力を強化することを表明しました。研究開発のデジタル化、生産やマーケティングのスマート化などの分野で、両社はそれぞれの強みを活かし、GACの「世界一流のテクノロジー企業になる」という戦略目標の実現を加速させていく計画です。

GACがファーウェイとの提携を再開したのは、単に技術的な必要性からだけでなく、戦略的な選択でもあります。「Harmoneyキャビン」や「乾崑スマート運転システム」などファーウェイのコア技術を導入することで、GACはスマート化やデジタル化のプロセスを加速させることができると期待しています。

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