欧州電気自動車市場、8月に43.9%急落!中国勢が苦戦、BYDのみ好調

8月の欧州新車市場は、顕著な弱さを示しています。Dataforceによれば、欧州における新車販売台数は前年同期比で17%減少し、特に電気自動車を含む多くの自動車メーカーが大幅な販売減少を記録しました。また、大規模な工場閉鎖や人員削減の計画も、市場の厳しい状況を反映しています。ステランティスやフォルクスワーゲンといった大手企業は、生産コストの圧力に直面し、ドイツ国内の工場閉鎖まで検討しています。

新エネルギー車市場の状況は芳しくありません。8月の欧州における電気自動車の販売台数は前年同月比43.9%減少し、これで4カ月連続の減少となりました。電気自動車販売の主要市場であるドイツとフランスでは、販売台数がそれぞれ68.8%と33.1%減少しています。政府による電気自動車補助金の撤廃や削減が市場の停滞を引き起こす主な要因とされ、ドイツやイギリスなどの主要市場ではすでに補助金が終了しており、フランスやオランダなどでも補助金の縮小が進み、消費者の購買意欲がさらに低下しています。

UBSの予測では、2024年欧州の電気自動車市場の成長率は高金利と景気低迷の影響で、従来の25%から15%に下方修正されています。UBSの分析によると、欧州の家庭では、電気自動車の価格や性能、特に航続距離に対する懸念が強く、これが需要の低迷を招いています。電気自動車は従来のガソリン車よりも高価で、欧州の一般消費者にとっては負担が大きく、これが販売不振をさらに悪化させています。

欧州市場全体が低迷している中で、中国自動車メーカーの動向が注目されています。Dataforceによれば、8月には、中国製電気自動車の欧州での販売台数が前年同月比48%減少し、過去18カ月で最低水準となりました。この減少により、中国ブランドの市場シェアは2カ月連続で低下しています。SAICのMG(名爵)などの中国ブランドは、関税の不確実性や市場需要の低下という二重の打撃を受け、8月の欧州での販売台数は前年同月比65%減少しました。

一方、BYDなど一部の中国ブランドは依然として好調です。BYDは、8月の欧州での登録台数が前年同期比で19%増加し、SAIC MGを上回り、競争力を強めています。BYDは電気自動車市場において、特に航続距離や価格面での優位性を武器に欧州の消費者から支持を得つつあります。Geely傘下の新エネルギー車ブランドZeekrや東風のYoyah(嵐図)といったブランドも販売台数を伸ばしているものの、全体の規模はまだ小さい状況です。

中欧間の電気自動車貿易には引き続き課題が残っています。EUによる中国製電気自動車への相殺関税調査や関税措置の検討は、中国ブランドの欧州市場での展開に不確実性をもたらしています。これらの措置は電気自動車の価格を押し上げ、欧州での需要をさらに抑制するとともに、中国ブランドの市場拡大にも悪影響を及ぼす可能性があります。

100

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です