Cheryが欧州市場に本格進出!OmodaとJaecooブランドで3年内に大規模拡大を計画

 9月12日、ロイター通信によると、Chery(奇瑞)は今後3年間で数十億ユーロを投じ、欧州市場におけるOmodaとJaecooブランドの拡大を加速させる計画です。

 Omodaは、Cheryが海外市場向けに展開しているブランドで、JaecooはそのOmoda傘下の高級ブランドです。また、Jaecoo以外にもExeedとEomedという2つのサブブランドがあります。

 Cheryはまず、スペイン、イタリア、ポーランド、イギリスでOmodaとJaecooのガソリンエンジン車を発売し、その後、他の国々にも順次拡大していく予定です。さらに、将来的にはハイブリッド車やEV(電気自動車)の導入も計画しています。

 ロイターによると、OmodaとJaecooブランドのイタリア担当責任者であるKevin Cheng氏は、Cheryはキア、現代自動車、日産、フォルクスワーゲンなどをベンチマークとしているものの、これらのブランドが欧州で信頼を築くのに20年を要したのに対し、Cheryは3年で同様の成果を達成したいと述べています。

 さらにロイターの報道によると、2024年1月から8月の間に、OmodaとJaecooの世界販売台数は約15万台に達しました。また、Cheryはスペイン・バルセロナの工場を買収し、年内には欧州での現地生産を開始する予定です。

 加えて、Cheryは東欧に2つ目の工場を建設することも検討しており、欧州市場での存在感を一層強化していく方針です。

 これまでCheryはローエンドの地元ブランドを代表する存在と見られていました。国内市場では「田舎くさい」と揶揄されてきましたが、最近では販売が急成長しています。今年、Cheryの販売台数は好調で、1月から6月までの累計販売台数は前年同期比48.4%増の110万台に達し、Geelyを抜き、BYDに次ぐランキング第2位となっています。

 かつて国内では「二流」の自動車メーカーとされていたCheryが現在の地位にまで成長した背景には、中国自動車産業の海外進出ブームが大きく関係しています。実は、中国自動車の海外進出に最も貢献しているのはBYDやSAICではなく、Cheryなのです。

 2023年のCheryの輸出台数は94万台に達し、中国から海外へ輸出される乗用車の4台に1台がChery製となっています。今年上半期の輸出台数も前年同期比で約30%増加し、53万台を超えました。そして、この数字は今後さらに増加する見込みです。

 2023年現在、Cheryはロシアのトゥラ工場やカマズ工場、アルゼンチン、トルコ、ウクライナ、イラン、エジプト、南アフリカ、インドネシアなどに10の海外生産拠点を設立し、180カ国・地域で事業を展開しています。

 Cheryの野望は、今後世界中のあらゆる地域でその名を轟かせることでしょう。

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