AMD、NVIDIAに倣い中国市場向けのAIチップ開発を検討

2023年8月2日のロイター報道によると、半導体大手のAMDは、NVIDIA社の対応にならい、関連するAIチップ製品の基準を調整し、米政府の規制要件を遵守したAIチップの中国への輸出を真剣に検討していることが分かりました。

AMDの最高経営責任者(CEO)であるLisa Su氏は、決算に関する電話会議で、中国が「重要な」市場である一方で、AMDは米国の輸出管理規則を順守する意向もあると述べました。

今年6月の中旬、AMDは2つのチップ、MI300AとMI300Xを発表しました。MI300AはAIとHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)市場向けのAPUで、13個の小チップに1460億個のトランジスタを統合し、NVIDIA H100の800億個を上回ります。一方、MI300Xは生成式AI向けの高速化GPUチップで、1530億個のトランジスタを統合し、1つのチップで800億パラメータを処理するモデルです。

しかしながら、海外メディアによると、MI300チップの性能は米国の輸出管理規制の許容範囲を超えており、そのため中国への輸出が制限されています。これにより、AMDの重要な市場での収益に影響を及ぼす可能性があります。昨年、AMDは中国本土市場での売上高が52.07億ドルに達し、米国全体の売上高の22%に相当しました。この状況から、AMDもNVIDIAの対応を模倣することを検討しているとされています。NVIDIAは輸出規制の影響を受けた後、既に中国市場向けにA800とH800の人工知能GPUチップのカスタマイズ版をリリースしています。

中国は米国のチップメーカーにとって依然として収益の大きな市場であり、特に人工知能分野では、中国本土のメーカーがNVIDIAなどを代替する存在はほとんどありません。

AMDはNVIDIAと競争する中で、MI300 AIチップに高い期待を寄せています。このチップが同社のデータセンター事業の急速な成長に貢献することを期待しています。

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