日産自動車、常州工場の閉鎖を発表 新エネルギー車市場へのシフトを加速

日産自動車は最近、江蘇省常州市にある乗用車製造工場の閉鎖を発表しました。

日本自動車の現地合弁会社である東風日産は声明の中で、企業のモデル転換と発展により、内部資源を最適化し調整する必要があると述べています。工場閉鎖により約300人の従業員が失業する見込みですが、現地での転勤や適切なレイオフ補償を提供する職業紹介プログラムを用意すると約束しています。

常州工場は、2018年に建設が始まり、2020年に生産が開始されましたが、わずか4年後に急速に衰退しました。一部の分析によると、この工場の主な生産モデルはSUVのQashqaiで、その価格帯は15万元から18万元です。日産は2018年には順調で、2020年には一時的な低迷があったとしても、2021年にこの工場が稼働してからは大きな挫折を経験しました。その年、コンパクトSUVの人気モデルであるBYDの「宋plus」が登場し、中国市場では馴染まない三気筒エンジンのQashqaiは、すでに競合する長城汽車のHaval H6に対して不利な状況にありました。さらに、市場ではトヨタのFRONTLANDERやCOROLLA CROSSにも対抗できない状態であり、最終的に完全に敗北してしまったのです。

単独モデルの敗退のほか、東風日産が直面している課題には、過剰生産能力と新エネルギー市場への取り組みの遅れも含まれます。同社は既存のガソリン車の生産を維持しつつ、新エネルギー車への投資を増やしていますが、新エネルギー車の開発と投入が遅れています。中国の新エネルギー車市場は急成長しており、特にプラグインハイブリッドや電気自動車の需要が高まっていますが、日産の市場シェアは競合他社に比べて低い状況にとどまっています。

ただし、常州工場の年間生産能力は約13万台で、日産の中国全体の生産能力の約10%しか占めていません。実際、日産自動車は依然として花都工場、襄陽工場、鄭州工場、大連工場など複数の生産拠点を持っています。ここれらの工場の生産能力は常州工場よりもはるかに大きいため、常州工場の停止が日産自動車の中国事業全体に与える影響は限定的と考えられます。

東風日産の今後の戦略には、新エネルギー車の開発と市場展開の加速が含まれており、2026年までに新たな製品を7機種投入する計画です。これにより輸出事業を通じて市場を拡大し、中国市場での競争力を強化することを目指しています。

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