CATL、江西省リチウム鉱山の生産停止発表!その背景と需給バランスに与える影響を考える

 CATL(寧徳時代)は、江西省でのリチウム雲母鉱山の業務を一時停止すると発表しました。この発表は、リチウム鉱山関連株の急騰を引き起こし、リチウム鉱山産業チェーンと今後の市場動向に深い影響を与えました。

CATLのリチウム鉱山生産停止と市場の反応

 2024年9月11日、UBSグループは、CATLが江西省のリチウム雲母鉱山の事業を一時停止すると報告しました。この背景には、炭酸リチウム価格の急落があり、価格がCATLの採掘コストを下回ったためです。この鉱山では年間20万トンの炭酸リチウムを生産していましたが、価格が1トン当たり7万元前後に下落したことで、CATLは生産停止を決定しました。

 この発表後、リチウム鉱山関連株は大幅に上昇し、一部のリチウム鉱山企業の株価はストップ高を記録しました。また、炭酸リチウムの価格もわずかに回復しています。

生産停止がリチウムサプライチェーンに与える影響

 CATLの生産停止は、単なる企業の問題にとどまらず、リチウムのサプライチェーン全体に影響を及ぼしました。

 まず、供給の減少が市場に緊張をもたらしています。江西省のリチウム鉱山は毎月約6,000トンのLCE(Lithium Carbonate Equivalent)を生産しており、これは全国の生産量の約7.5%を占めています。この供給減少は、リチウムの供給逼迫をさらに深刻化させる可能性があります。

 次に、供給不足によりリチウム価格の上昇が予想されています。UBSのレポートによると、2024年の年末までにリチウム価格は11~23%の上昇が見込まれています。

 このような需給の変化は、リチウム鉱山の上流企業にとっては複雑な状況です。リチウム価格の上昇は収益の増加につながる一方、CATLのような大手企業が生産を停止すれば需要が減少し、上流企業の販売に圧力がかかる可能性もあります。

今後の展望

 今回のCATLによる生産停止は、リチウム市場の需給構造の変化を反映しています。専門家によると、環境保護の問題や高コストの影響で、CATLの江西省の鉱山はすでに部分的に生産を停止しており、今回の全面停止は驚くことではありません。これは、過剰供給に対する市場の調整の一環です。

 現在、市場には約20万トンの余剰供給がありますが、中国の新エネルギー車の需要の加速によってこの供給過剰は解消され、リチウムの需要は引き続き高水準を維持すると予想されます。

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