メルセデス・ベンツグループは9月4日、中国のパートナーと共同で中国市場に140億元以上を投資することを発表しました。この投資は、中国市場向けに設計された複数の新車種の発売や、電動化とスマート化分野での発展を推進するために使用されます。

新モデルの導入と現地化研究開発の強化

　ベンツは2025年から、中国でロングホイールベースの純電気CLA、ロングホイールベースのGLE SUV、VAN.EAプラットフォームをベースにしたハイエンド純電気MPVなど、いくつかの新型モデルを生産する予定です。これらの車種はいずれも中国の消費者向けにカスタマイズされ、中国市場の電気自動車に対する特別な需要に応えることを目指しています。

　また、ベンツは中国での現地化研究開発を強化します。特にロングホイールベースGLE SUVの開発は、中国市場のニーズにより適合するため、中国チームが完全に主導します。このSUVは、中国市場向けに快適さとスマートテクノロジー体験を提供することが期待されています。

　ベンツは、MMAプラットフォームに基づく新型電動CLAを生産するため、BAIC（北汽）との合弁会社である北京ベンツを利用する計画です。このモデルは最新の電気アーキテクチャと高効率トランスミッションを搭載し、充電15分で400キロの航続距離を実現します。これにより、ユーザーにより効率的な電気自動車体験を提供します。

スマート化転換の推進

　今回の投資の目玉の一つは、ベンツが独自に開発したMB.OSシステムです。このシステムは2025年に新モデルとともに発売され、新しいバーチャルアシスタントと高精度地図に依存しないエンドツーエンドのスマート運転機能を搭載します。これにより、ベンツの新車はより先進的なスマート化機能を備え、ユーザーにより便利な運転体験を提供します。

　ベンツのグローバル戦略の中で、中国市場は重要な柱の一つです。ベンツの取締役会会長・CEOであるオラ・ケレニウス（Ola Källenius）氏は、「中国はベンツの電動化シフトの重要な駆動力であり、またその科学技術革新を推進している」と述べました。中国の顧客により良いサービスを提供するため、ベンツの多くの車種は中国の技術と市場の優位性を活用して、本土での研究開発・生産を実現することを目指しています。

中国市場への長期的なコミットメント

　ベンツはすでに中国に1000億元以上を投資しており、その主な用途は電動化とスマート化分野の研究開発です。2024年4月には上海市に研究開発センターをオープンし、中国での研究開発能力をさらに強化しました。今回の追加投資を通じて、ベンツは中国市場での長期的なコミットメントを示すとともに、電動化とスマート化分野での研究開発の基盤を固め、より多くの中国市場向け車種や先進技術の導入を進め、競争力を維持することを狙っています。