中国EVメーカーNETA、インドネシアで本格的な現地生産を開始

中国の新エネルギー車市場における新興メーカーの一つであるNETA(哪吒汽車)は、6月3日にインドネシアの工場で本格的な現地生産を開始したと発表しました。インドネシアの電気自動車(EV)メーカー、PT NETA Autoは西ジャワのBekasiにあるPT Handal Indonesia Motor(HIM)の工場で、NETAの最新モデルであるNETA V-IIの組み立てをCKD形式で開始しました。

NETA V-IIは現地生産だけでなく、GOTION HIGH-TECH(国軒高科)インドネシア法人製の環境配慮型リン酸鉄リチウム電池を搭載し、インドネシア国内生産部品率(TKDN)を44%にしました。これに先立ち、NETAとPT Handal Indonesia Motorは2023年7月に提携覚書を締結し、NETA製品の現地生産を共同で推進することを合意しました。

中国国内の激しい市場競争に直面しているNETA汽車は、近年市場でのパフォーマンスが不安定で、最近の一連の取り組みを通じて積極的に活路を模索しています。

NETAは近年、販売台数の面で著しい変動を経験しています。2021年の「NETA」の販売台数は6.97万台に達し、2022年には15万台を突破して新興メーカーのトップとなりました。しかし、2023年の販売台数は12.7万台に落ち込みました。

NETAは2020年から2022年までの累積損失が111億元を超えました。直近で1.8億元の融資を受けたものの、赤字状況は著しく改善していません。

また、NETAはマーケティング面で問題を抱えています。虚偽宣伝により、新モデルのNETA-Sに対して20万元の罰金が科され、ブランドイメージに悪影響を与えました。さらに、製品の品質問題が頻発しており、ユーザーからのフィードバックには、車両のブラックスクリーン、液晶画面のちらつき、錆びなどが含まれており、ユーザー体験や口コミに深刻な影響を及ぼしています。

国内市場の課題に直面しているNETAは、近年海外市場への展開を加速し、海外市場の拡大を通じて国内市場の不振をカバーしようとしています。2023年には海外販売台数が前年比567%増の2万台を突破しました。中でもタイ市場は特に好調で、累計1万台以上を販売しています。

現在、NETAはタイ、インドネシア、マレーシアに3つの生産拠点を構え、現地生産によるコスト削減や製品競争力の向上を図っています。同時に、NETAは国内の広西省南寧工場を生産停止し、海外向けCKD工場に転換しました。

NETAは国内市場で赤字、ブランドの弱さ、品質問題などの課題を抱えながらも、海外市場戦略を積極的に推進することで、新たな成長ポイントと発展のチャンスを模索しています。

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