レアアースで漁夫の利を狙うトルコ、中国と協力しEV市場で新勢力に!EU関税を突破?

 トルコはレアアース資源の分野で中国との協力を急いでおり、この動きは中国の電気自動車やバッテリーメーカーに対するトルコの魅力をさらに高める重要な一歩と見られています。

 海外メディアの報道によると、トルコ政府は今年10月にAlparslan Bayraktarエネルギー大臣を団長とする代表団を中国に派遣し、レアアース鉱床の共同開発について議論する計画です。これに先立ち、トルコは中国やロシアを含む新興国グループであるBRICSへの加盟を正式に申請しており、国際的な協力関係を一層強化しています。

 2年前、トルコはアナトリア中部のエスキシェヒル近郊のベイリコバ地域で大量のレアアースを発見しました。この資源を有効活用するため、トルコ政府はレアアース化合物を高純度の単一元素に精製するための精錬所の建設を計画しており、世界のサプライチェーンにおいて重要な役割を果たすことを目指しています。工業技術大臣のFatih Kacir氏は、トルコが世界的なレアアース供給において重要な拠点となるための産業施設を構築する方針を強調しています。

 これらの取り組みはレアアース採掘にとどまらず、トルコは電気自動車やバッテリー製造のサプライチェーン全体において、より大きな役割を担うことを目指しています。

 最近では、BYDがトルコで電気自動車を現地生産する計画を進めており、トルコでの電池生産についても交渉が進められています。また、トルコはChery(奇瑞)、SAIC(上汽)、長城などの中国自動車メーカーとも提携交渉を行っています。これらの動きは、EUが中国製電気自動車に課した高関税を回避するための手段ともなり、トルコが電気自動車の製造拠点として注目されるきっかけとなっています。

 現在、中国はレアアースの採掘および精錬の分野で世界をリードしていますが、その影響力は米国やEUで懸念を呼んでいます。一方、他国はレアアースやその他の重要な鉱物の供給確保において、技術的な困難や規制、社会的な反対などの課題に直面しています。しかし、トルコは中国との協力を通じて、自国の豊富な資源と中国の技術力を活用し、世界の電気自動車およびレアアース市場での競争力を高めようとしています。

 現時点でトルコ政府や中国側から正式なコメントは発表されていませんが、この協力が実現すれば、トルコは経済的にも戦略的にも大きな利益を得る可能性があり、世界のレアアースサプライチェーンにおいてもさらなる台頭が期待されます。

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