値下げ合戦でも販売台数増えず、業界が懸念を表明

 3月以降、各地の補助金、値下げ合戦は自動車市場を賑わせている。CAAM(中国汽車工業協会)は22日に発表した文書で、今回の自動車値下げ合戦への懸念を表明して、早く正常な市場秩序に戻すべきだと呼びかけた。

 今年に入って、新エネルギー車の価格競争が収まらず、ガソリン車の価格競争が熾烈化している。湖北省武漢市政府と東風汽車から始まったガソリン車値下げ合戦は、全国の自動車市場を混乱させた。その後、上汽GM、一汽アウディ、広汽ホンダなどのガソリン車ブランドが次々と追随した。大まかな統計によると、メディアの煽りを受けて、これまでに40以上のブランドが値下げを発表している。

 CAAMは、行き過ぎた価格競争は長続きせず、適切な価格水準の維持が必要であると指摘した。また、地方政府は安定成長、消費促進の過程において、やり方が適切でなければならないと各地当局の政策を批判した。

 またCADA(中国自動車流通協会)は、「地元の自動車ブランドのみに補助金を出すのは公正さを欠く。このような差別的なやり方には明らかな地方保護の色彩があり、地元以外の自動車ブランドに対しては不公平である」とコメントしたうえ。多くの消費者がさらなる値下げを期待し、買い控えをすることになり、販促効果を発揮できないと指摘した。

 CADAの調査によると、今回の値下げ合戦勃発の地である武漢市を除く全国各地の4S店の来店客数は大幅に増加したが、成約数は著しく減少しており、多くの消費者は、値下げや補助金政策の動きを注視するも、購入を控えている。

 3月1-12日の乗用車市場の小売台数は41.4万台で、前年同期比17%減、前月同期比11%減になった。今年に入ってからの累計小売台数は309.4万台で、前年比19%減少した。これを受けてCADAは、「(地方)補助金が導入された後、販売台数は増加せず、逆に減少しており、その状況を放任すれば、自動車産業の健全な発展に大きなマイナス影響を与えることになる」と警告した。

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