テスラ、ここ数年中国で販売された車両のほぼ全数をリコールへ

 5月12日、国家市場監督管理総局によると、テスラは大規模なリコール計画を開始した。今回テスラがリコールする車両は1104622台であり、ほぼ2019年からの累計国内販売台数に相当する。

 販売データによると、テスラの今年1-4月の中国での販売台数(輸出を除く)は17.7万台、2022年は43.9万台、2021年は32.07万台、2020年は14.8万台で、2019年の同数値は4万台超、累計は112.47万台となった。

 今回110万台超のテスラ車両がリコールされる理由は、テスラがドライバーにエネルギー回生ブレーキの強弱の選択を認めなかったことと、ドライバーが長時間アクセルペダルを深く踏み込む場合には、十分な注意喚起がなかったためである。

 エネルギー回生ブレーキとは、車両がモーターを回して発電することで、速度を落としながらエネルギーを回収する機能である。この機能により、車両はブレーキで発生した熱エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄えることができ、電気量の節約、航続距離の伸長、運転疲労の軽減を図るメリットはある。ただし、回生ブレーキの強弱が選択できなければ、アクセルとブレーキの2つのペダル操作に慣れたドライバーは、強制的に「ワンペダルドライブモード」で長時間アクセルペダルだけを踏む確率が高まり、衝突のリスクが高まる可能性があり、安全上の懸念があるという。

 これまで国内や海外市場では、テスラが「急加速」「ブレーキが効かなかった」などの疑いで交通事故を起こしたとの訴えが相次いでいる。その原因の一つとしてテスラ独特の操作性に慣れないドライバーの操作ミスによるものと考えられている。

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