テスラ、中国からリン酸鉄リチウム電池のサプライチェーンを米国に導入へ

1月31日のブルームバーグの報道によると、テスラは米国ネバダ州スパークスにあるバッテリー工場の拡張を計画しています。この新工場を通じて、テスラはより低コストのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーのサプライチェーンを導入し、超大型商用エネルギー貯蔵バッテリー「メガパック(Megapack)」の生産量を増やす計画です。この取り組みは、電池材料のニッケル、コバルト、リチウムなどの調達に関する米国の規制に対応するものでもあり、テスラは米国でより自律的で安定的な電池サプライチェーンを構築したい考えで、この計画はリン酸鉄リチウム電池サプライチェーンを米国に移転する同社のより広範な取り組みの一環です。

テスラは中国のサプライヤーであるCATL(寧徳時代)から遊休設備を購入し、それを利用して米国で電池を生産します。新工場の生産能力は当初約10ギガワットで、2025年の稼働を予定しており、最終的にはテスラの同地域での電池生産量の約20%を占める可能性があります。また、テスラはカリフォルニア州レスロップ(Lahrop)にある既存の電池工場の生産能力を引き上げる計画も進めています。これらの取り組みは、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が電話会議で述べた、エネルギー貯蔵事業が今年、電気自動車事業を上回るペースで成長するとの見通しを後押しするものです。

テスラのメガパックにはすでにCATLのバッテリーが使用されており、今回の新工場で生産されるバッテリーにはこれらのバッテリーの設計が引き続き採用される予定です。この取り決めは、ミシガン州工場でのバッテリー生産を目指すフォードの計画とは異なっており、フォードの計画は、共和党議員から批判が出ていました。

全体として、テスラのこうした取り組みは、米国の規制の変化に対応しつつ、電気自動車やエネルギー貯蔵事業の成長ニーズに対応するため、より自律的で安定したバッテリーサプライチェーンを構築することに注力していることを示しています。

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