BYDはなぜ強いのか(その4)

「雷峰網」は、コスパがBYDの強さの一つであると指摘している。

「雷峰網」によると、BYDの新エネ車産業チェーンに対するコントロールは、同社の生産体制を維持しただけでなく、長年にわたる「コストパフォーマンス」戦略の実現を約束している。

一般的に、同車種の純電気(BEV)バージョンの価格はプラグインハイブリッド(PHD)バージョンより高い。その理由は、BEVモデルのバッテリー容量が大きく、バッテリーコストが高いためである。これに対し、PHDモデルはバッテリーコストが低いだけでなく、搭載されている小排気量エンジンにもコストメリットがある。

BYDのBEVモデルは、PHDモデルの価格とほぼ同水準にすることができる。BYD「漢」の場合、DM-i(PHD)モデルの121㎞航続距離バージョンは21.58万元であるのに対して、BEVモデルのベーシックバージョンは21.48万元で、PHDのDM-iモデルよりも低い。

その理由について業界専門家は、「BYDのバッテリーは子会社の弗迪電池が供給している。弗迪電池の粗利益率は5%以下に抑えられている。その他の自動車メーカーはCATL(寧徳時代)のバッテリーを採用しており、CATLの粗利益は20%を超えている。バッテリーコストの違いにより、同クラスの中でBYDが最もコストパフォーマンスが高いことは間違いない」と語った。

「雷峰網」は同クラスの車種の販売価格を調べたところによると、BYDのBEV「海豹」の550㎞航続距離モデルと700㎞航続距離モデルには、それぞれ61.2度と81.4度のブレードバッテリーパックが搭載されており、両デモルの差は20度であるが、販売価格の差は3万元しかない。これに対して、ベンチャー系自動車新勢力NIOのET7のバッテリーパックは75度と100度の2つのバージョンの間で25度の差しかないが、価格の差は5万8千元である。

報道によると、今年1-3四半期現在、新エネ車メーカーのうち利益を上げることができたのはテスラ、BYDと上汽GM五菱のみであった。グローバルブランドのテスラとコスパを徹底して安全性への懸念が残る五菱を除いて、健全な国内メーカーとして利益を上げているのは、BYDのみである。やはりBYDの新エネ車産業チェーンへのコントロール能力が侮れないものである。

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