BYD、2023年度の業績見通しを発表: 新エネルギー車販売が増加、株価急落の背景には減益要因も

 BYDは1月29日夜、2023年度の業績予想を発表し、PATMI(利益の所得税後純額)が前年同期比74.46%から86.49%増の290億元から310億元になるとの見通しを示しました。経常損益を差し引いた純利益は前年比75.22%から89.92%増の274万元から297万元となる見通しです。同社の第4四半期の純利益は約76億元から96億元であり、昨年第3四半期の純利益は初めて百億元を超え、104.12億元に達したと推計されています。

 2023年、BYDの年間販売台数は前年比61.9%増の302.44万台であり、年間販売目標の300万台を達成しました。

 BYDによると、2023年の新エネルギー車業界は引き続き高度成長の態勢を維持し、BYDの新エネルギー車の販売台数は再び過去最高を更新し、ブランド力の向上、海外での販売台数の成長、拡大する規模の経済性、サプライチェーンにおけるコスト・コントロール能力により、利益が大幅に改善されました。

 ところが、1月30日の朝方にBYDの株価は急落しました。香港株ではハンセン指数が1%超安で取引を終え、BYDは一時5%超下落し、5日連続で下落し、今回の調整以来の安値を付けました。

 シティバンクが発表した研究報告によると、BYDが報告した2023年の純利益見通しは予想通りですが、同社の第4四半期のコア事業関連の純利益は前期比で減少し、前期比横ばいの予想を下回りました。この減少の一部は、年末に販売店に提供された通年インセンティブに伴う追加コストによるものです。

 また、ハイエンド製品のラインアップの改善が想定より遅れていることや、マスマーケットでの値下げや競争激化も減益要因となりました。

 シティバンクはまた、短期的なBYD株の動向について、1月の需要の弱さや2月(旧正月連休)の閑散期、3月の価格競争に入る不確定要素にも影響されると分析しています。2024年第1四半期の総卸売台数(輸出・国内販売含む)は約56万台で、前年比1%増となる見通しです。

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