DiDiがライドシェアの「順風車」を復活させたのは、危険な一歩を踏み出したのか(1)

ライドシェア市場から姿を消して400日余り立ったDiDiの「順風車」がようやく戻ってきている。

DiDiは11月6日に、ライドシェアの「順風車」の最新スキームを発表し、2019年11月20日からハルビン、太原、石家荘、常州、瀋陽、北京、南通の7都市で試験運営すると発表した。DiDiによると、試験運営期間はまず5:00-23:00(女性5:00-20:00)、市内の中短距離(50キロ以内)のライドシェアプラットフォームサービスを提供する。試験期間中は、データサービス料はかからない。

最新スキームの中で、ユーザーからのフィードバックで多く期待されているドライバーの信用審査の強化、およびドライバーと乗客の平等な利益の保障などに対して、重点的に答え、信用喪失者のスクリーニングメカニズムの導入、積極的に第三者信用評価システムとの協力方式を模索するなどの内容も盛り込まれている。さらにドライバーの信用度スコアを算出し、参入基準を引き上げ、ハードルを高めている。

これは、DiDiが2018年に2件のドライバーによる乗客殺害事件で無期限に「順風車」の停止を宣言して以降、1年以上にわたって整理と対応を繰り返してきた後の正式な復帰となる。

「順風車」の安全事故が頻発する状況に対し、交通運輸新業態共同監督管理部門間連席会議は、全国範囲でオンライン配車、ライドシェアプラットフォーム事業者の公共安全、運営安全とインターネット安全などの特別検査を実施することを決定した。2018年9月5日から9日にかけて、合同検査チームがDiDiに入り、家宅捜査、データチェック、ヒアリングなどの検査を行った。

その後、1年以上にわたり、DiDiは、「順風車」の業務内容の見直し、再検討、政府の監督管理との意思疎通、マスコミへの説明、PRの中で苦闘してきた。

DiDiの「順風車」が離席した400日余りの間、DiDiのライバルたちが逆襲しようとしており、ライドシェア市場の勢力図は変わりつつある。

2018年12月、アリババ傘下の「哈羅出行」はドライバーの募集を開始し、2019年2月にはライドシェア事業を正式に開始したと発表した。6月にはDiDiと同じく2018年8月にライドシェア事業を終了したAutonaviが一部の都市でライドシェアのためのドライバーを再び募集し始めており、Autonavi側は、「手数料抜き、非営利的で、本当の公益事業、本当のライドシェア」と宣言した。吉利汽車傘下のモビリティ事業の「曹操出行」も9月、同社製品のオーナーをまずライドシェアドライバーとして登録させ、北京市、上海市、広州市、深セン市などを含む20都市でライドシェアサービスを開始している。

それ以外に、「ティックトック出行」(以下はティックトック)というライドシェアサービスをメインに携わっている業者もある。

DiDiの「順風車」が10%の手数料を徴収するのに対して、ティックトックは、1契約につき1-3元(市内)のサービス料を徴収するだけだ。また、ティックトックはドライバーの注文回数を1日4回まで制限し、人工認証による安全チェックを導入している。これは、事業の拡大スピードにある程度制約をかけているが、積極的なインセンティブを頼りに、DiDi不在の間で、ティックトックは多くの元DiDiのドライーバーとユーザーを横取りした。今年9月、ティックトックはユーザー数が1億3000万人、登録ドライバー数が1500万人を突破したと発表した。

長距離の都市間ライドシェア市場にも多くの参入者が押し寄せている。これまでの報道情報によると、武漢だけでは1カ月間で20社以上のプレイヤーが都市間ライドシェア市場に殺到したという。

また、帰還した王者のDiDi「順風車」でも、Autonavi、「曹操出行」のライドシェアでも、試験運営の段階では、誰もが料金を取らないと言っている。メディアの報道によると、Autonaviに近い関係者は、現在Autonaviが受け取っているのはデータ料で、1契約につき0.2元程度のみという。

つづき


参考記事:https://www.d1ev.com/news/qiye/102731

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