炭酸リチウム価格急落、新エネルギー車メーカーの収益性改善へ

 過去2年間、中国の新エネルギー車市場の急拡大に伴い、新エネルギー車関連産業も盛んに発展し、炭酸リチウムの価格はこの期間中に11倍に急騰した。昨年第4四半期から、新エネルギー車の販売台数の伸び率が鈍化し、関連産業チェーンの価格が軒並み下落し、炭酸リチウムの価格は過去数カ月間で、1トン当たり最高60万元近くから20万元台まで直線的に下落した。

 3月末の取引データによると、一部のリチウム電池関連の材料の相場が下落し、電池級炭酸リチウムは1トン当たり6000元下落し、平均価格は1トン当たり26.4万元となった。

 現在、炭酸リチウムの価格は最高値の60万元/トンからすでに50%以上下落しており、市場が予測していた35万元/トン前後の範囲をはるかに超えている。

 炭酸リチウムの価格が半値以下に落ち、動力電池のコストも下がり、それに対応して電気自動車の価格も下がる可能性はある。また、炭酸リチウムの価格が1トン当たり40万元に下がれば、黒字化できると試算した自動車メーカーもあるという情報もある。現在の1トン当たり20万元台の価格水準では、利益がかなり出ており、半導体などの価格の低下も相まって、新エネルギー車メーカーの収益性が今年に持ち直される可能性がある。

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